ロシアのラブロフ外相は、今月公開されたイタリアのテレビ局とのインタビューで「『ゼレンスキー大統領がユダヤ人であるならナチ化するはずがない』というが、あのヒトラーにもユダヤ人の血が入っていたのでそのような主張は意味がない」と持論を展開し、イスラエルが猛烈に反発しました。
ロシアのプーチン大統領とイスラエルのベネット首相は5日、ことし3月以来となる電話会談を行い、イスラエルの発表によりますと、プーチン大統領がラブロフ外相の発言について謝罪し、ベネット首相は謝罪を受け入れたということです。
ラブロフ外相の発言をめぐっては、イスラエルが非難の声明を出したのに対し、ロシア外務省の報道官が公然と反論し国際的な非難が強まっていました。
一方、ロシア大統領府は5日、声明を発表し、電話会談が行われたことは明らかにしたものの、プーチン大統領の謝罪については触れられていません。
声明では、ユダヤ人の大量虐殺、ホロコーストで犠牲になった「600万人のうち40%がソビエトの国民だった」と指摘しています。
また、第2次世界大戦で旧ソビエトがナチス・ドイツに勝利した、9日の「戦勝記念日」について「ホロコーストの犠牲者を含む、すべての戦死者の記憶を尊重する両国民にとって特別な意義がある」として、イスラエルとの連帯を強調しました。
ロシアとしては、アメリカやヨーロッパから厳しい制裁を受けるなか、各国のユダヤ人コミュニティーでこれ以上、非難が拡大するのを避けたいねらいがあるとみられます。