岸田文雄首相は5日、ロンドンの金融街シティーで行った講演で、貯蓄から投資への移行を大胆・抜本的に進め「投資による資産所得倍増を実現する」と表明した。具体的な政策として少額投資非課税制度(NISA)の抜本的拡充や預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設を挙げた。
岸田首相は、日本の個人金融資産2000兆円のうち半分以上が預金・現金で保有されているとした上で、10年間で米国では家計金融資産が3倍、英国では2.3倍になったのに対し、日本では1.4倍にすぎないと指摘。「ここに大きなポテンシャルがある」と話した。
または自身の経済政策である「新しい資本主義」を説明し「日本経済はこれからも力強く成長を続ける」と訴え、「インベスト・イン・キシダ(岸田に投資を)」と呼び掛けた。
金融・財政政策を巡っては「引き続き大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進める」と従来の方針を維持する姿勢を見せた。
新型コロナウイルス対応については「6月には他のG7(主要7カ国)並みに円滑な入国が可能となるよう水際対策をさらに緩和していく」との意向を表明。後ほど行われた会見でも「6月にも専門家の見解を踏まえつつ、水際対策を含めコロナ対策を段階的に見直し、日常をさらに取り戻していきたい」と話した。
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