ウクライナのメディアなどによると、アレストビッチ大統領府顧問は6日、南部オデッサ州沖でロシア海軍の黒海艦隊に所属するフリゲート艦が攻撃され、炎上したとの報道について「検証された情報はない」と述べ、確認を避けた。ロシア反体制派とのオンライン対談で発言した。

 アレストビッチ氏は、過去3~4週間で情報戦の性質が「劇的に変化した」と指摘。「非常にたくさんの戦果の情報がばらまかれるが、その後も確認されず、誰もが落とし穴に陥っている」との見解を示した。

 オデッサの地元メディアは6日、フリゲート艦「アドミラル・マカロフ」にウクライナ軍の対艦ミサイル「ネプチューン」が命中したと報道。「黒海の現場上空を敵の航空機が旋回し、クリミア半島から救難艦が向かった」と伝えていた。ウクライナ軍参謀本部は同日の戦況報告で、ロシア海軍が艦艇1隻を失ったと発表しつつ、詳しく説明していなかった。

 ウクライナ軍は4月中旬、黒海艦隊の旗艦のミサイル巡洋艦「モスクワ」をネプチューンで攻撃し、炎上・沈没させた。国内が大きな戦果に沸いた経緯がある。

 一方、4月上旬に別のフリゲート艦「アドミラル・エッセン」が打撃を被ったという情報があったが、同艦がその後も作戦に当たる映像はロシアで放送された。

 今回の炎上報道は、ロシア大統領府だけでなく、米国防総省や米シンクタンクの戦争研究所なども確認できないとしている。ウクライナ軍は7日、問題のフリゲート艦には触れず「(攻撃ドローン)バイラクタルTB2で揚陸艇を破壊した」とだけ発表した。