ウクライナのベレシチューク副首相は6日、ロシア軍が包囲する南東部マリウポリの製鉄所から、女性や子供、高齢者ら民間人50人が同日退避したと明らかにした。フェイスブックで「敵の停戦違反があった」と主張し、退避が難航していることも認めた。
マリウポリ退避、時間との闘い 製鉄所の攻撃激化―ロシア艦、また炎上か
ゼレンスキー大統領は「停戦違反」に関し、英王立国際問題研究所(チャタムハウス)主催のオンライン行事で「(軍人や民間人が)殺されれば、外交交渉はできなくなる」とロシア側に警告した。
ウクライナ各地では6日もロシア軍が攻撃を継続。南部オデッサ州にはミサイル2発が撃ち込まれたが、マルチェンコ同州知事の通信アプリ投稿によれば、負傷者はいなかった。一方、ウクライナ軍は北東部ハリコフ州で反撃し、一部地域を奪還したと発表した。
ゼレンスキー氏は「戦争の終わりはまだ見えない。ロシア側に終わらせる気があるようにも感じない」とも述べ、侵攻が長期化する可能性に言及した。