[ニューヨーク 9日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドル指数が一時約20年ぶりの高水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)がインフレを抑制できるのか懸念が出ていることなどでリスク選好度が低下し、安全資産としてのドルの魅力が増す結果になっている。
主要6通貨に対するドル指数は一時104.19と、2002年12月以来の高値を更新。ただ、終盤の取引では0.135%安の103.630。
FRBがインフレ抑制に積極的に対応していくとの見方から米国債利回りが上昇し、ドルはこれまで5週連続で上昇。ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁はこの日、世界のサプライチェーン(供給網)混乱が改善してもインフレ鎮静化への寄与はそれほど期待できないとの認識を示したほか、アトランタ地区連銀のボスティック総裁はFRBが今後2─3回の会合で0.50%ポイントの利上げを実施することが可能という見解を示した。
ウクライナ戦争と中国の新型コロナウイルス抑制に向けたロックダウン(都市封鎖)も、リスク選好度の低下につながっている。
OANDA(ニューヨーク)のシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は「ドル高要因が三拍子そろっている」とし、「主要なリスク要因は解消しないとみられていることから、ドル高の終了は複雑化している」と述べた。
FRBは3─4日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%ポイントの利上げを決定。パウエルFRB議長はFOMC後の記者会見で、6月と7月の会合でも0.50%ポイントの利上げを決定する用意があると表明した。
CMEフェドウオッチによると、FRBが6月の会合で少なくとも0.50%ポイントの利上げを決定するとの見方が市場で完全に織り込まれている。
ユーローは0.15%高の1.0567ドル。
円は対ドルで0.24%高の130.28円。
英ポンドは0.05%高の1.2343ドル。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは14.93%安の3万0679.52ドル。一時は3万0321ドルと、昨年7月21日以来の安値を更新した。イーサは16.21%安の2266.33ドル。
ドル/円 NY終値 130.25/130.28
始値 131.10
高値 131.15
安値 130.13
ユーロ/ドル NY終値 1.0555/1.0559
始値 1.0544
高値 1.0592
安値 1.0518