〈アベノミクスの失敗を何が何でも認めたくないんだな〉
〈日銀を自分の財布だと思っていたんじゃあ……〉
“日本橋のプーチン”日銀・黒田総裁に政財界から不満噴出、来年の任期まで持たない?
自民党の安倍晋三元首相(67)が9日に大分市で開かれた会合で、「日銀は政府の子会社」と発言したことに対し、永田町で批判の声が広がっている。
安倍氏はこの会合で、日銀が市場を通じて政府の国債を買い入れていることに触れ、「日銀は政府の子会社だ」と主張。「日銀は政府の子会社なので60年で(返済の)満期が来たら、返さないで借り換えて構わない。心配する必要はない」などと持論を展開したのだ。
日銀は、日銀法で金融政策と業務運営の自主性が認められており、安倍氏が言う「日銀は政府の子会社」という暴論を認めたら、財政法が禁じている直接買い入れを認めることになりかねない。
安倍氏の発言について、10日の会見で記者から問われた松野博一官房長官(59)は、「日銀法上、日銀の通貨と金融の調節での自主性は尊重されなければならないとされている」と答えるのが精一杯。安倍氏は昨年12月に都内で開かれた講演会でも、「日本銀行は国の子会社。5割は政府が株を持っているから、連結決算上は債務ではないという考え方も成立する」と言い放っていたから、今回の発言も“確信犯”なのだろうが、そもそも「子会社」と名指しされた日銀自体が安倍氏の主張を否定しているのだ。
見解を問われた日銀の黒田総裁は
4月5日の衆院財務金融委。野党議員から「日銀が政府の子会社だと言われるようになっているということは、私は、極めて重く受け止め、反省しなければいけないと思いますが、こういう子会社論について、どういう御見解をお持ちですか」と問われた日銀の黒田東彦総裁(77)はこう答えていた。
「日本銀行は、もちろん政府から過半の出資を受けておりますけれども、出資者には議決権が付与されておりません。日本銀行の金融政策及び業務の運営については、御指摘の通り、98年に施行された新日銀法によって自主性が認められております。従いまして、日本銀行が、政府が経営を支配する法人とか子会社というものではないというふうに考えております」
「日本銀行法で、3条で非常に明確に『日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない』。5条で『日本銀行の業務運営における自主性は、十分配慮されなければならない』というふうにされております。何か日本銀行が政府の子会社のようになっているということは全くないというふうに考えております」
口を開くたびに妄言が飛び出す安倍氏。誰かが「少しはおとなしくしていろ」と諭すべきではないのか。