米国とロシアの国防相がウクライナでの戦争開始後初めて電話会談を行った。
トルコのエルドアン大統領は、スウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟への懸念を表明。これに対しスウェーデンは、NATO加盟にトルコから反対の示唆を受け取ったことはなく、14日からベルリンで開かれるNATO外相会合で問題を提起する考えを示した。
この外相会合では、加盟国拡大の問題に大半の時間が費やされるとみられる。
ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。
米ロ国防相、ウクライナ戦争開始後初めて会談
オースティン米国防長官とロシアのショイグ国防相が電話会談を行ったと、米国防総省のカービー報道官が明らかにした。両者の会談は2月18日以来。同報道官によると、オースティン氏は「ウクライナでの即時停戦を促し、連絡経路を維持する重要性を強調した」という。
NATO加盟でこれまでトルコから懸念伝えられたことない-スウェーデン
トルコのエルドアン大統領がスウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟に消極的な姿勢を示したことについて、同国のリンデ外相は「トルコ政府がこのようなメッセージを直接伝えてきたことはなく、NATO理事会でトルコがそうした行動を取ったことはなかった」と述べた。14日に始まるNATOの非公式外相会合でこの問題を取り上げる意向を示した。
イタリア、ロシア産ガス輸入停止は2024年下期に可能
国際的な状況がさらに悪化しない限り、イタリアはロシア産ガスの輸入停止を24年下期に実現できると、チンゴラーニ環境相が語った。同相によると、イタリアがロシアから昨年輸入したガスは290億立方メートルに上るが、このうち250億立方メートルについてドラギ首相が今後半年間に代替する取引を確保したという。
ウクライナ大統領、世界経済フォーラムでオンライン演説へ
ウクライナのゼレンスキー大統領は、22-26日にスイスのダボス・クロスタースで開催される世界経済フォーラム(WEF)年次総会向けにバーチャル形式で演説する。
ロシア兵の戦争犯罪、キーウで初の裁判開始
ウクライナに侵攻したロシア軍兵士の戦争犯罪を裁く初の裁判が13日、キーウ(キエフ)で開かれた。AP通信が報じた。
訴追されたのはロシア軍のワディム・シシマリン軍曹(21)で、ウクライナ北東部の村で62歳の男性の頭部を撃った罪。ウクライナ治安当局が公表した動画で、このロシア兵は「撃つよう命令された」と話した。APによると、有罪となれば最高で終身刑が科される。
トルコ大統領、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟に難色
トルコのエルドアン大統領は、スウェーデンとフィンランドの北大西洋条約機構(NATO)加盟に消極的な姿勢を示した。トルコ南東部の自治を求めて数十年にわたり武力闘争を続けるクルド人分離主義勢力の支持者が、両国で活動していることへの懸念を理由に挙げた。NATO加盟には現加盟国による全会一致の支持が必要。
ストルテンベルグNATO事務総長は、2カ国の加盟申請を全加盟国が歓迎し、加盟手続きは速やかに進むだろうと繰り返し述べている。NATO報道官は今のところコメントの要請に応じていない。
G7、ウクライナに4兆円支援準備-独誌
主要7カ国(G7)はウクライナが年末まで乗り切れるよう約300億ユーロ(約4兆円)相当の財政支援を準備している。ドイツ誌シュピーゲルが匿名の関係者の情報として報じた。同国のボンで来週開催されるG7財務相会合でこの計画が議論され、支援は無償供与と借款の組み合わせになるという。
英国、プーチン氏親族や協力者に制裁拡大-元夫人や新体操選手も
英国は対ロシア制裁を強化し、プーチン大統領の「ぜいたくなライフスタイル」を支えているとされる同大統領の友人や親族を制裁対象に含めた。
英外務省の13日発表によると、今回新たに対象となったのは元夫人のリュドミラ・オチェレトナヤ氏、プーチン氏と親密な関係にあるとされる元新体操選手でナショナル・メディア・グループ会長を務めるアリーナ・カバエワ氏、プーチン氏の親族ら。
ポーランドから帰国したウクライナ人、121万人-2月24日以降
ポーランドの国境当局は同国から2月24日以降にウクライナに戻ったウクライナ人が121万人に達したことを明らかにした。この間、ウクライナからポーランドに逃れたウクライナ人は334万人。
ロシア軍、アゾフスターリ製鉄所への攻撃継続-ウクライナ軍
ウクライナ軍によれば、ロシア軍は南部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所への攻撃を続けている。夜間の空爆も実施しているという。
フィンランドNATO加盟ならロシアは国境防衛強化-駐EU大使
ロシアのチジョフ駐EU大使は、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟計画により、「ロシア・フィンランド国境沿いの防衛の備えを改善ないし強化するなど、一定の軍事・技術的対応が必要になる」と述べた。
同大使は英スカイニューズとのインタビューで、NATOに加盟することで「より安全になった国はない」と発言。ウクライナが中立国となり、ドンバスの両共和国とロシアのクリミア併合を承認するという交渉による解決を確信していると語った。
原題:Ukraine Latest: US, Russia Defense Chiefs Talk After Long Wait(抜粋)、
UK Sanctions ‘Friends’ Supporting Putin’s ‘Luxury Lifestyle’ (1)(抜粋)