Swedish army insignia. Photographer: Mikael Sjoberg/Bloomberg

フィンランドとスウェーデンが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を近く申請する見込みとなりました。ドイツは極めて迅速に加盟が承認されるとの見通しを示していますが、新規加盟には加盟全30カ国の承認が必要です。トルコはテロ組織と見なすクルド労働者党(PKK)をこの北欧2カ国が支援しているとして承認に難色を示しています。ロシアとウクライナの外相会談を取り持つなど、NATO内でも少し異彩を放つトルコの存在は無視できません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

歴史的な転換

フィンランドとスウェーデンがNATOへの加盟を申請する見通しとなった。ロシアのウクライナ侵略を受け、両国は長年保持してきた軍事的中立の方針から転換することになる。フィンランドでは15日、ニーニスト大統領とマリン首相がヘルシンキでの記者会見でNATO加盟申請の正式決定を発表。この決定は同国議会により数日内の承認が見込まれている。隣国スウェーデンの与党・社会民主労働党も同日、長年続けてきたNATO加盟反対の姿勢を転換し、加盟支持を決定した。

リセッションに備えを

米ゴールドマン・サックス・グループのロイド・ブランクファイン上級会長は、米経済がリセッション(景気後退)に陥る「リスクは極めて高い」とし、企業と消費者は備えを固めるべきだとの見解を示した。サプライチェーンのボトルネック改善や中国でのロックダウン(都市封鎖)緩和により、一部のインフレは「解消する」一方、エネルギー価格など高騰が根強く続くものもあるとの見方を示した。

下方修正

欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、2022年のユーロ圏の成長率予想を下方修正する一方、インフレ率見通しを大幅に引き上げる。春季経済予測の草稿から明らかになった。ブルームバーグが確認した草稿によれば、欧州委はロシアのウクライナ侵攻後、初となる今回の見通しで、域内総生産(GDP)成長率予想を22年2.7%、23年を2.3%とする。2月時点の予想はそれぞれ4%と2.7%。一方、インフレ率は今年が6.1%、来年が2.7%の予想。従来予想はそれぞれ3.5%と1.7%だった。 

小麦輸出停止

インドが小麦輸出を即時禁止した。ロシアによるウクライナ侵攻で小麦供給は逼迫(ひっぱく)している。インド商工省商務局・外国貿易部の13日付の通知によると、国内の食糧安全保障を万全にする。ただし、他国の要請や取り消し不能の発行済み信用状がある場合は輸出を許可する。

原油高騰が追い風

サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコが15日発表した1-3月(第1四半期)決算で、利益は上場来最高となった。ロシアのウクライナ侵攻で原油価格が1バレル=110ドル台に跳ね上がったことが好業績につながった。1-3月の純利益は395億ドル(約5兆1000億円)と、前年同期の217億ドルを上回った。四半期配当は188億ドルで変わらず。

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