スイスのジュネーブでロシアの国連代表部に勤務していた外交官ボリス・ボンダレフ氏が、ウクライナ侵攻に抗議して辞職した。ウクライナでの戦争を同国外交官が公に非難したのは初めて。キーウ(キエフ)の裁判所は戦争犯罪で初めて訴追されたロシア軍兵士に終身刑の判決を言い渡した。

  ウクライナのゼレンスキー大統領は、スイスのダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)で演説。ロシア経済を世界から遮断すべきだと訴えるとともに、ロシアの軍事侵攻でもたらされた荒廃から復興するためのウクライナ支援を世界の投資家に呼びかけた。

ゼレンスキー大統領、ロシア排除をダボスで要求-ウクライナに投資を

  岸田文雄首相は23日、来日したバイデン米大統領と初の本格的な首脳会談を行い、ロシアによるウクライナ侵攻について、「国際秩序の根幹を揺るがすものであり、力による一方的な現状変更は世界のどこであっても絶対に認められない」と批判した。

岸田首相、大統領訪日は「米国のインド太平洋への関与強化示す」 (1)

  ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。

ラトビアにはNATO軍1個旅団の駐留が必要-レビツ大統領

  ラトビアのレビツ大統領は、ロシアの潜在的な攻撃を抑止するため、ラトビアには北大西洋条約機構(NATO)軍の1個旅団(5000人程度)の駐留が必要だと述べた。WEFが開催されているダボスでの発言。

ラトビアのレビツ大統領(23日)Source: Bloomberg

EUのロシア産石油禁輸案、行き詰まり長期化か

  欧州連合(EU)のロシア産石油禁輸案は引き続きハンガリーの反対に遭い、来週のEU首脳会議で承認される可能性がますます低くなっている。事情を知る複数の関係者が明らかにした。

ロシア産石油禁輸案巡るEU交渉、行き詰まり長期化の公算-関係者

EU、ウクライナ追加支援の計画策定で意見まとまらず

  EU加盟国はウクライナに対する90億ユーロ(約1兆2300億円)の新たな支援パッケージの計画策定を巡って議論している。協議に詳しい関係者によると、ドイツを含む一部の国は融資ではなく無償資金の提供を望んでいる。オーストリアやルクセンブルク、フィンランド、マルタ、デンマーク、ハンガリー、ギリシャは、来週のEU首脳会議で出される結論でウクライナ支援の金融手段を明記することに難色を示しているという。

国連機関のロシア外交官、ウクライナ侵攻を批判し辞職

  在ジュネーブ国連代表部に勤務していたロシアの外交官ボリス・ボンダレフ氏(41)が、プーチン大統領のウクライナ侵攻に抗議して辞職した。同氏は電話でのインタビューで「プーチンは戦争犯罪人かつ独裁者になった」と批判。「米国人を脅して降伏させるため首都ワシントン郊外に核攻撃を仕掛けようと本気で話すような同僚とはもう一緒に仕事できない。こうした会話がますます頻繁に交わされるようになっている」と述べた。

米国防長官、ウクライナに対する長期的な支援を約束

  オースティン米国防長官は、ウクライナによるロシア軍撃退を米国として「長期にわたって」支援することを約束すると述べた。支援を協議する「ウクライナ・コンタクト・グループ」の会議開催に際しての発言。同長官によると、会議にはNATOとEUおよび44カ国の代表が参加した。

岸田首相、ウクライナ侵攻は国際秩序の根幹揺るがす-日米首脳会談

  岸田文雄首相は23日、来日したバイデン米大統領と首脳会談を行い、ロシアによるウクライナ侵攻については「国際秩序の根幹を揺るがすものであり、力による一方的な現状変更は世界のどこであっても絶対に認められない」と批判した。

米国とパートナー国、APECでロシアを非難

  22日にタイの首都バンコクで閉幕した21カ国・地域参加のアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合では共同声明の発表が見送られた。その後、米国とそのパートナー国である日本、オーストラリア、カナダ、チリ、ニュージーランド、韓国は共同でロシアのウクライナ侵攻を非難し、「深刻な懸念」を示す声明を出した。

世界の難民・避難民、1億人突破-UNHCR

  国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は世界で避難を強いられた人の数が初めて1億人を超えたと報告書で明らかにした。フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は同報告書に関する声明でこの数字について、さらなる行動を求める注意喚起として役立てるべきだと述べた。またウクライナの戦争により、今年同国内で800万人が避難を強いられたと述べた。

ドンバス地方でウクライナ側に多くの死者-ゼレンスキー大統領

  ウクライナのゼレンスキー大統領はポーランドのドゥダ大統領との22日の共同記者会見で、同国東部の激戦地では毎日、最大100人のウクライナ兵士が死亡している可能性があると説明した。同大統領は21日夜の国民向け演説で、ドンバス地方の戦況は「極めて厳しい」と述べていた。

ゼレンスキー大統領Source: Bloomberg

ウクライナのEU加盟には15-20年要する可能性-仏欧州問題担当相

  フランスのボーヌ欧州問題担当相はウクライナの欧州連合(EU)への消耗する加盟プロセスは15-20年を要する可能性があるとの見解を示した。22日のラジオJとのインタビューで語った。

ポーランド大統領、ウクライナとの結束は揺るがない

  ポーランドのドゥダ大統領はキーウの議会で演説し、ポーランドとウクライナの結束は揺るがないと述べ、拍手喝采を受けた。同大統領はウクライナができるだけ早くEU加盟候補国に認定されるように尽力すると表明した。

ロシア軍、セベロドネツクに軸足-戦争研究所

  米シンクタンクの戦争研究所(ISW)によると、ロシア軍は21日、ウクライナ東部ルガンスク州セベロドネツクの包囲と掌握に向けた取り組みを強化し、今後も継続する見通しだ。イジュームを含む他の進軍の取り組みがほぼこう着したままになっているという。

ウクライナ交渉担当者、ロシアに譲歩せず-ロイター

  ウクライナ側の交渉チームメンバーであるポドリャク大統領府長官顧問はロイター通信とのインタビューで、ロシアに譲歩すれば戦争がエスカレートするとして妥協しない姿勢を示した。戦闘を中断すればロシアが兵器や人員を増強し、新たな攻撃態勢に入ると分析。ウクライナ側が妥協を許さない姿勢を強めていることを認めた。

原題:Ukraine Latest: Russian Envoy Quits in Protest; EU Embargo Stuck(抜粋)