[リビウ(ウクライナ)/ベルリン 24日 ロイター] – ドイツは23日、欧州連合(EU)がロシア産原油の禁輸を巡り「数日中」に合意する可能性が高いとの見方を示した。一方、ウクライナ侵攻を巡る欧米の制裁で孤立化するロシアは、中国との経済関係が今後拡大するとの見通しを表明した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「ダボス会議」でビデオ演説し、国際社会は対ロシア制裁を強化し、暴力で目的を達成する行為を抑止する必要があると訴えた。
ハンガリーはEUによるロシア産原油禁輸案について、エネルギー投資に関する同国の要求が満たされるまで同意できないとの姿勢を崩していない。
ドイツのハベック経済相は公共放送ZDFで「(禁輸を巡り)数日中に打開に至るだろう」と述べた。また欧州委員会と米国が、原油の国際価格に上限を設ける提案を策定していると明らかにした。「異例の措置だが、今は異例の時期だ」と語った。
米コーヒーチェーン大手スターバックスは23日、ロシア事業からの撤退を発表、ロシアの孤立が一段と深まった。
一方、ロシアのラブロフ外相は、中国との関係強化に力点を置く考えを示した。
外務省のウェブサイトに掲載された講演内容によると、「西側諸国から関係回復で何らかの申し出があった場合、それが必要かどうかを真剣に考えることになる」と述べ、「西側が『独裁者の立場』を取ったため、ロシアの中国との経済関係は一段と急速に拡大する」と主張した。
ウクライナでロシア軍は、ドネツク、ルガンスクの東部2州の完全制圧を目指している。
米政府によると、デンマークは対艦ミサイル「ハープーン」をウクライナに供与すると表明。ロシアが2月にウクライナ侵攻を開始して以来初めて、射程が長い米国製兵器の提供を受けることになる。
ハープーンは米ボーイングが製造。ウクライナの港からロシア艦船を遠ざけて穀物など農産品輸出を再開するために使われる可能性がある。