【ベルリン、北京時事】中国・新疆ウイグル自治区の人権侵害問題に関し、ドイツ誌シュピーゲル(電子版)は24日、少数民族ウイグル族の収容施設で、虐待を受ける人々の写真や脱走者の射殺を命じる共産党幹部の発言を記録したとする内部資料を報じた。資料には、習近平国家主席が収容施設の建設を指示していたことも記されているという。

中国当局のデータベース流出、拘束されたウイグル人の詳細明らかに

 資料はドイツ人研究者のアドリアン・ゼンツ氏が匿名の情報源から入手した。自治区西部イリ・カザフ自治州テケス県の収容所で、拷問用の拘束具に座らされる男性や、背中に傷を負った男性らの写真があった。2017年に自治区トップの陳全国・党委員会書記(当時)が演説で「数歩でも逃げようとした者は射殺せよ」と述べたことも資料で確認された。

 英BBC放送(電子版)によると、資料には、趙克志公安相が18年に新疆を視察した際の演説も含まれる。趙氏は、習氏が「200万人」の収容目標を達成するために施設の建設や資金の増額といった「重要指示」を出したとして称賛した。