[ニューヨーク 2日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが全面安。リスク選好度の高まりを追い風に、資金は高利回り通貨に向かった。

モネックスUSAのディール・トレード部門バイスプレジデントのジョン・ドイル氏は「今日の取引では複数の要因がドルへの向かい風となったが、主にリスクオンによるものだ」と指摘。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」が2日、増産ペース拡大で合意し、ロシアの石油生産量の落ち込みをサウジアラビアなどが補填する見通しとなったことや、中国上海市が2カ月に及ぶ新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)解除に関するニュースを受け、リスク選好度が高まり、ドルへの重しになったと述べた。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.8%安の101.78。

朝方発表された5月の全米雇用報告では、民間部門雇用者数が12万8000人増と、市場予想(30万人増)を大きく下回った。労働需要が減速し始めていることを示唆する内容となったものの、ドルを支援するには至らなかった。

高リスク資産とされる豪ドルは1.17%、ニュージーランドドルは1.2%、対米ドルでそれぞれ上昇した。

カナダドルも対米ドルで約0.6%上昇。カナダ銀行(BOC、中央銀行)が前日、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げ、インフレを目標水準に戻すために「必要に応じて一段と力強く」対応する用意があると表明したことが引き続き材料視された。

スイスフランは対ドルで0.5%高。スイスの5月消費者物価指数(CPI)は前年比2.9%上昇と、2008年9月以来14年ぶりの大幅な上昇を記録した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインはほぼ変わらずの3万0070.99ドル。

ドル/円 NY終値 129.83/129.86

始値 129.72

高値 130.04

安値 129.52

ユーロ/ドル NY終値 1.0745/1.0749

始値 1.0694

高値 1.0750

安値 1.0685