イエレン米財務長官は国民の生活費上昇に関する議員らの質問攻めに遭い、インフレは高い状態が続く可能性が高いと回答。物価上昇は「一過性」だと昨年述べるべきではなかったとの見解を示した。
イエレン長官は7日、上院財政委員会の公聴会で1兆9000億ドル(現行レートで約252兆円)規模の追加経済対策「米国救済計画(ARP)」に関する質問に回答する形で、バイデン米大統領を擁護した。「先進国のほぼすべてで高いインフレがみられており、各国の財政政策はそれぞれ大きく違っている」と指摘。「現在みられるインフレの大部分がARPの影響を反映しているとは言えない」と述べた。共和党はARPが40年ぶりの高インフレの一因になったとして、政府を批判している。
イエレン長官は2021年に高インフレは長期化しないと予想したのは、自分もパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長も間違っていたとあらためて認めた。「おそらく私たちはいずれも、『一過性』より良い表現を使えたはずだ」と話した。
「強いインフレ圧力があることに疑いの余地はなく、インフレが現時点で最大の経済問題であること、それに対処することが極めて重要であることは間違いない」とイエレン氏。「インフレは高い状態が続くと想定しているが、低下に向かうことを強く願っている」と述べた。
イエレン財務長官、財政政策は金融政策を補完し得る-インフレ対応で
原題:Yellen Warns Inflation to Stay High, Recants Again on Transitory(抜粋)