[キーウ(キエフ) 9日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、ロシアが黒海沿いのウクライナの港を封鎖しているために数百万人が餓死する恐れがあると警告した。

自身が選ばれた米誌タイムの2022年版「世界で最も影響力のある100人」のイベントに寄せたビデオ声明で語った。

ゼレンスキー氏は、世界は「恐ろしい食料危機」の瀬戸際にあるとし、「国際市場に安定をもたらす役割を果たしていた」大量の小麦、トウモロコシ、石油などの商品をウクライナは輸出できていないと訴えた。

それは「世界の数十カ国で商品が物理的に不足することを意味する可能性がある」とし、「ロシアの黒海封鎖が続けば、数百万人が餓死する恐れがある」と指摘した。

さらに、「われわれは自由を守る手段を探しているが、相手は自由を破壊している。引き続き飢餓で世界を脅迫している」と述べた。

ウクライナはロシアの侵攻前、輸出の大半が黒海の港経由だったが、侵攻後は西部国境の鉄道経由かドナウ川経由を強いられている。

ウクライナはロシアの侵攻前、月最大600万トンの穀物を輸出していたが、輸出量は約100万トンに減少している。

ゼレンスキー氏は声明で、ロシアの脅威が台頭した際に自由主義世界を結束させたバイデン米大統領に感謝していると述べた。

また、ロシアがもたらした憎悪を新型コロナウイルスになぞらえ、「兵器と制裁もCOVID-22へのワクチンだ」と述べ、同盟国にさらなる武器供与を求めた。