○【ウクライナ】ゼレンスキー氏は事前の侵攻警告に耳貸さずと米大統領<bloomberg日本語版>2022年6月11日 16:44 JST

バイデン米大統領は11日、ウクライナにロシアが侵攻してくるとゼレンスキー大統領に攻撃の始まった2月24日より前に警告したものの、耳を貸してもらえなかったと述べた。

  バイデン大統領はロシアのプーチン大統領が全面的な侵略を仕掛ける可能性は現実離れしたものに聞こえたかもしれないと認め、「彼らがなぜ聞きたくなかったかは分かる」と話した。

  ロシア軍はスラビャンスクやセベロドネツクに近い地域への攻撃で一部成功を収めており、これら地域の複数の村の外れで足場を築こうとしている。

  オースティン米国防長官は11日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で演説し、中国の「威圧的行動」に抵抗するアジア諸国を支援する考えを表明。太平洋地域でウクライナ危機が繰り返される事態を防止するために必要な取り組みだと述べた。

米国防長官、中国の「威圧的行動」に抵抗するアジア諸国への支援表明

  ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻を18世紀のピョートル1世(大帝)によるロシア帝国拡大に例えたことについて、バルト3国であるエストニアのカラス首相とラトビアのリンケービッチ外相は強く批判した。

  ウクライナのマルチェンコ財務相はブルームバーグラジオのインタビューで、同国が国際通貨基金(IMF)と新たな融資プログラムで緊急に合意する必要があると述べた。侵攻するロシア軍を撃退するため財政と外貨準備が限界に達していると指摘した。ウクライナの1-3月(第1四半期)国内総生産(GDP)は前年同期比15.1%減と、2015年以来の大幅な減少となった。

ウクライナはIMFとの新たな合意求める、財政強化のため-財務相

  ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。 

ウクライナ、ドンバスへの兵器供給加速を-ジョフクワ大統領府副長官

  ウクライナのジョフクワ大統領府副長官はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、ドンバス地方を巡る戦闘でロシア軍はウクライナ軍に数で勝り、軍備もそろっていると述べ、「極めて厳しい。重火器の即時供給に大きくかかっている」と訴えた。

マクロン仏大統領がウクライナ訪問へ、具体的な日程は未定

  フランスのマクロン大統領はウクライナ訪問を計画しているが、具体的な日程は決まっていないと、大統領府高官が記者団に語った。同大統領がウクライナを来週訪問すると、一部メディアが報じていた。マクロン氏は14日にルーマニアのフランス軍駐留基地を訪れ、15日には欧州連合(EU)加盟を申請しているモルドバを訪問する。

  マクロン氏は最近、ロシアを辱めるべきではないと発言し、他のEU加盟国の間で懸念が広がっていた。この懸念を和らげようと、ロシアは占領した地域を放棄しなければならないと、同高官は述べた。

ウォレス英国防相がウクライナ訪問、ゼレンスキー氏と会談

  ウォレス英国防相は今週、ウクライナを2日間にわたって訪問し、ゼレンスキー大統領およびレズニコフ国防相と会談した。英国防省が10日発表した。

  国防省は発表文で、訪問の目的は「英国の継続的な支援が確実にウクライナ側の要求に合致し、前線での状況に対応できているようにするため」だと説明。ウォレス、ゼレンスキー、レズニコフの3者は英国が現在供給している装備や訓練、およびウクライナ軍の国防で英国に可能な追加支援について協議したという。

ロシア中銀、政策金利1.5ポイント引き下げ9.5%に

  ロシア中央銀行は10日、政策金利引き下げを発表した。通貨ルーブルが引き続き上昇圧力にさらされていることや経済が制裁で打撃を受けていることに対応し、ウクライナ侵攻前の水準まで金利を引き下げた。

ロシア中銀、政策金利1.5ポイント引き下げ9.5%に-予想以上の利下げ

米国務長官、英国人ら捕虜への死刑判決を深く懸念

  ロシアが実効支配するウクライナの「ドネツク人民共和国」の裁判所がウクライナ側に立って戦い捕虜となった英国人2人とモロッコ人1人に死刑判決を言い渡したとの報道を巡り、ブリンケン米国務長官はツイートで、「われわれは偽の『裁判』と、ウクライナ軍に加わった合法的な戦闘員に対する判決の報道を深く懸念している」と述べた。

米財務長官、英がタンカー保険契約禁止ならロシア産石油滞留も

  イエレン米財務長官はニューヨーク・タイムズ紙主催のイベントで、EUのロシア産原油を運搬する船舶の保険契約禁止措置について、「英国が禁止に賛同する可能性が非常に高く、そうなればロシア産石油のかなりの量を封じ込める効果があるだろう」と述べた。

ウクライナ1-3月GDPは前年同期比15.1%減-15年以来の大幅減少

  ウクライナの1-3月(第1四半期)国内総生産(GDP)は前年同期比15.1%減と、2015年以来の大幅な減少となった。同国統計局が暫定データを発表した。ロシアは2月にウクライナ侵攻を開始した。前期比(季節調整済み)は19.3%減。 

原題:Ukraine Latest: Biden Says Zelenskiy Tuned Out Invasion Warnings
Ukraine Latest: Zelenskiy Aide Says Country Needs Weapons Faster(抜粋)

○ ウクライナ大統領は侵攻警告に「聞く耳持たず」 バイデン氏<YAHOOニュース>6/11(土) 17:33

AFP=時事

【AFP=時事】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は10日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領はロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が侵攻計画を進めているという米国側の警告に「聞く耳を持たなかった」と述べた。

 バイデン氏は米ロサンゼルスで開かれた政治資金パーティーで記者団に対し、ロシアがウクライナを攻撃する可能性があると事前に警告していたことに言及し、「多くの人に大げさだと思われていたことは知っている」として、「だが、われわれには(その判断を)裏付けるデータがあった」と述べた。

 「(プーチン氏が)ウクライナに侵攻するつもりだったのは明らかだった」とし、「だが、ゼレンスキー氏は聞く耳を持たなかった。多くの人もそうだった」と続けた。

 米国は、プーチン氏が2月24日にウクライナへの「特別軍事作戦」の実施を発表するかなり以前から、ロシアが侵攻の準備を進めていると警鐘を鳴らしていた。

 しかし、欧州の一部の同盟国からは人騒がせな警告と受け止められ、不信や批判を招いていた。【翻訳編集】 AFPBB News

○ ウクライナ兵の死者1万人に 東部要衝、激しい市街戦続く<時事ドットコム>2022年06月11日19時23分

【ベルリン時事】ウクライナ東部ルガンスク州の要衝セベロドネツクでは、侵攻したロシア軍と抵抗するウクライナ軍の激しい市街戦が続いている。英国防省は11日の戦況報告で、市街戦で両軍に「大量の死傷者」が出ているもようだとした。ウクライナのアレストビッチ大統領府顧問は10日、侵攻開始以来のウクライナ兵の死者が、1万人に上ったことを明らかにした。

 英国防省によると、ロシア軍はセベロドネツクに陸空から激しい砲撃を加えている。ウクライナのゼレンスキー大統領は10日の演説で、「非常に困難な戦闘が続いている」と認めた。

 ウクライナも東部や南部で反撃を試みている。ルガンスク州のガイダイ知事は10日、通信アプリ「テレグラム」で、セベロドネツク南方のスタハノフにあるロシア民間軍事会社ワグネルの拠点に砲撃を加えて破壊し、生存者は「1人だけだった」と主張した。拠点には300人が駐屯していたとも報じられている。

 さらに、ウクライナ国防省は10日、南部ヘルソン州のロシア支配地域で、複数のロシア軍拠点に空爆を行ったと発表した。

 ロシアに占拠された南東部マリウポリでは、医療が崩壊状態にある上に上下水道などのインフラが破壊され、衛生状態の悪化が懸念されている。同市のボイチェンコ市長は10日、英BBCに対し、コレラなどの感染症が拡大する可能性があると警告した。