ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる12日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
マクドナルド撤退店舗にロシア資本のハンバーガーチェーン
ロシアの首都モスクワでは、撤退したアメリカのハンバーガーチェーン大手、マクドナルドの店舗の一部を利用して、12日から、ロシア資本の新たなハンバーガーチェーンが営業を始めました。
モスクワとその郊外の合わせて15店舗は、マクドナルドの「M」のロゴを取り外して、開店しました。
新しいチェーンの名前は「フクースナ・イ・トーチカ」、ロシア語で「おいしい。ただそれだけ」という意味です。
店のロゴは、緑色の背景に、ハンバーガーを表す赤い円と、ポテトを表すオレンジ色の2本線で、アルファベットの「M」をかたどっています。
マクドナルドは、ロシアによる軍事侵攻を受けてことし3月中旬、ロシア国内のおよそ850店舗すべての営業を停止し、その後、ロシアの企業に事業を売却していました。
プーチン大統領「ロシアの日」に演説 国民に団結呼びかけ
6月12日は、1990年にロシアが国家として主権を宣言した「ロシアの日」と呼ばれる記念日で、首都モスクワで式典が開かれました。この中でプーチン大統領は演説を行い「われわれは祖国や社会がひとつになることがいかに重要かを痛感している。団結とはすなわち、祖国への献身、そして祖国に対する責任だ」と述べ、国民に団結を呼びかけました。
「ロシア軍 ルハンシク州の工業地帯を攻撃」 ウクライナ公共放送
ウクライナの公共放送は11日、東部ルハンシク州のハイダイ知事の話として「ロシア軍は州内各地の工業地帯への攻撃を続けている」と伝えました。そのうえで「ロシア軍は日中、セベロドネツクと、そのほか9つの地域へさまざまな兵器で攻撃を加えた。セベロドネツクを攻撃するための拠点の足固めを進めている」と伝えています。
ゼレンスキー大統領「南部ヘルソン州など徐々に解放」
ウクライナのゼレンスキー大統領は新たに公開した動画で「ウクライナ軍は南部のヘルソン州を徐々に解放している。南東部のザポリージャ州でも一定の戦果を上げている」と述べ、ロシア軍が事実上支配している地域でウクライナ軍が反撃していると主張しました。東部ルハンシク州でウクライナ側が拠点とするセベロドネツクについては「激しい市街戦が続いている。敵の進軍をすでに何週間も阻止し、強固な守りを維持しているすべての防衛者を誇りに思う」と述べました。
ゼレンスキー大統領「われわれはEUと1つのチーム」
EUのフォンデアライエン委員長がウクライナのEU加盟申請について近く意見書がまとまるという見通しを示したことについて、ゼレンスキー大統領は「正しい決定を得るためにあらゆるレベルでの努力を続ける。われわれはEUと1つのチームで、このチームは勝たなければならない。今回の決定はウクライナだけでなく、EU全体をより強いものにすると確信している」と述べ、ウクライナの加盟はロシアに対抗していくうえで重要だという認識を示しました。
ウクライナ高官「ロシアは“大飢饉”再現するつもりだ」
ウクライナのアンドリー・イェルマーク大統領府長官は11日、SNSのテレグラムに、収穫期を迎えた麦畑が燃え、兵士が消火活動にあたっている映像を投稿。「ロシア軍はウクライナの畑に焼い弾を撃ち込み、旧ソビエト時代にウクライナを襲った『大飢きん』を再現するつもりだ。世界的な食料危機を引き起こし、ウクライナの収穫物を台なしにしている。『食料テロ』を止めなければならない。われわれは友好国と食料危機を解決する方法を議論している」と書き込み、ロシア軍の攻撃を非難しました。
モスクワ 撤退マクドナルドの店舗利用した新ハンバーガー店
ロシアの首都モスクワでは、撤退したアメリカのハンバーガーチェーン大手マクドナルドの店舗の一部を利用して、ロシア資本の新たなハンバーガーチェーンが営業を始めます。マクドナルドはロシアによる軍事侵攻を受けてことし3月中旬、ロシア国内のおよそ850店舗すべての営業を停止し、その後ロシアの企業に事業を売却していました。
⇒「ロシア 撤退のマクドナルド店舗利用し新ハンバーガー店開業へ」詳細記事はこちら
ロシア ウクライナ2都市で住民にロシア旅券発行
ロシア軍が事実上支配しているウクライナ南部へルソン州の中心都市へルソンと、南東部ザポリージャ州の都市メリトポリで、住民にロシアのパスポートが発行されました。ロシア通信によりますと、へルソンでは申請していた市民23人がパスポートを受け取ったということです。プーチン政権はこれまでも東部ドネツク州やルハンシク州で支配地域の住民にパスポートを発行し、ロシア国籍を与える政策を進めてきましたが、今回新たに2つの州で同様の措置が始まったことで、ウクライナ側は「重大な主権侵害だ」と反発を強めるとともに、ロシアによる支配の既成事実化が加速するのではないかと警戒を強めています。
ウクライナのEU加盟 欧州委 近く意見書まとめる
EUのフォンデアライエン委員長はウクライナの加盟申請について、ヨーロッパ委員会が近く意見書をまとめるという見通しを示しました。この意見書を判断材料にEU全加盟国が同意すれば、ウクライナは交渉開始の前提となる「加盟候補国」として認められることになります。EU加盟国は今月下旬の首脳会議でウクライナの加盟申請をめぐって協議する見通しです。