ウクライナ東部セベロドネツクでロシア軍は攻撃を続け、市中心部からウクライナ軍を駆逐した。同市はルガンスク州でウクライナが維持する最後の主要拠点の一つ。ゼレンスキー大統領は同市を巡る戦闘を「極めて熾烈(しれつ)」と表現し、同国軍幹部は米国に武器の追加供給を求めた。
国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは13日発表したリポートで、ハルキウでロシアが使用したクラスター爆弾と無差別砲撃は戦争犯罪に該当すると指摘した。
北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、スウェーデンが攻撃された場合、NATOが防衛しないとは「考えられない」と述べた。カンターが世界19カ国で行った調査によると、ウクライナでの戦争が各地で最大の懸念事項に挙げられた。
ウクライナ情勢を巡る最近の主な動きは以下の通り。
ロシアのアジア向け原油輸出、ほぼ前例ない水準に
ロシアの石油海上輸送で、新たな形が見られつつある。インドがロシア産原油の買い手として大きく浮上し、中国に次ぐ2位に躍り出た。中国とインドが大半を占めるアジアは、いまや海上輸送されるロシア産原油の半分近くを購入している。
NATOは対応、スウェーデン攻撃なら-事務総長
北大西洋条約機構(NATO)に加盟を申請したスウェーデンについて、すでに加盟数カ国から安全保障上の確約を得ているとストルテンベルグ事務総長は述べた。事務総長はスウェーデンのアンデション首相との会談後に記者団に対し、NATOは軍事演習と配備を増やし強化したと説明。「これは違いを生む。つまりスウェーデンが攻撃された場合、NATOが対応しないとは考えられないと見なしている」と語った。
ウクライナでの戦争、世界で最大の懸念-カンター調査
ロシアのウクライナ侵攻は調査対象の19カ国全てで最大の懸念事項に挙げられ、景気への不安と生活費急騰がそれに続いたと、カンター・グローバル・イシューズ・バロメーターが明らかにした。
同社は合計1万1000人の回答を集計。新型コロナウイルスはもはや切迫した懸念材料とは見なされず、最大の懸念事項にウクライナでの戦争を挙げた人が64%、経済問題に言及した人が39%で続いた。懸念の度合いはウクライナへの距離に比例し、ポーランドでは94%、スペイン、ドイツ、フランスでは80%がウクライナ戦争に懸念を示した。
ウクライナ、今年の穀物収穫量は約40%減見込む
ウクライナは戦争で農地の約4分の1を失い、今年の穀物収穫量は4800万トンまで減る見通しだと、ビソツキー農業食料副大臣が語った。昨年の収穫量は8400万トンだったという。
独仏伊首脳、16日にキーウ訪問へ-報道
ドイツのショルツ首相はフランスのマクロン大統領、イタリアのドラギ首相とともに16日にキーウを訪問すると、ビジネス・インサイダーが情報源を明示せずに報じた。
ウクライナ政府幹部、供給希望の重火器リスト公表
ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、戦争を終わらせるため同国はロシアと同等の重火器を必要としているとツイッターで主張した。ウクライナ東部では今回の戦争で最も激しいとも言える戦闘が展開し、ロシアは軍備面の優位を利用してウクライナ軍の陣地を爆撃、進軍を続けている。ウクライナはここ数日、西側のパートナー国に対して武器供給の緊急性が一層増したと訴えている。
ロシア、セベロドネツクの「し烈」な戦闘で前進
ウクライナ東部セベロドネツクで激しい戦闘が続く中で、ロシア軍は市中心部からウクライナ軍を駆逐したと、ウクライナ参謀本部が明らかにした。ゼレンスキー大統領は定例の夜のビデオ演説で、「極めて激しい戦闘が続いている。文字通り1メートルを争っている」と発言。ルガンスク州のガイダイ知事によると、子供40人を含む民間人約500人が市内の化学工場のシェルターで引き続き見動きができない状態となっているが、過去24時間に3回の砲撃を受けた。
ロシア攻撃でハルキウでは数百人死亡、戦争犯罪に該当-アムネスティ
ウクライナ北東部ハルキウで民間人数百人が死亡したロシア軍の砲撃やロケット攻撃は戦争犯罪に該当すると、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルがリポートで指摘した。
アムネスティは数々の攻撃について、詳細に説明。「ハルキウ市民は数カ月にわたり容赦のない集中的な無差別攻撃を浴びている」とアムネスティの危機対応上級顧問ドナテラ・ロベラ氏は述べ、「これらのおぞましい攻撃の責任はロシア軍にあり、責任を負わなければならない」と続けた。現地の医療担当者がアムネスティに伝えたところによると、戦争開始以降に同州では民間人606人が死亡し、1248人が負傷した。
原題:Ukraine Latest: Fighting Rages as Ukraine Pleads for Artillery(抜粋)