An ambulance passes a Con Edison van during a heatwave in the East Village neighborhood of New York, U.S., on Tuesday, June 29, 2021. Photographer: Bloomberg/Bloomberg

ニューヨークではハリケーンや吹雪が近づくと、停電に備えるようにと電力会社から住民にメールが届きます。猛暑が近づくと、ピークタイムを避けて上手に電気を使うよう助言してくれます。昨日届いたのは、この夏の電気代は昨年の夏に比べてニューヨーク市で推定12%、ウェスチェスター郡で16%上がるとの通知でした。「すでに高騰している天然ガス価格が、世界的なサプライチェーンの問題でさらに押し上げられていること」が最大の理由だそうです。この状況に猛暑が加わったらどうなることか。農家向け定期刊行物のファーマーズ・アルマナックは、「今年の夏が全米的に暑い夏として記憶に残ることは間違いない」としています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

利下げに注目

短期金融市場は今月と来月に米金融当局が前例のない0.75ポイントの利上げを実施し、その後も追加引き締めが続くとの見通しを急速に織り込んだ。その一方で、2年以内に0.75ポイントの利下げがあるとも見込む。フィル・インベストメント・マネジメントのスティーブ・エリス氏は「米金融当局は慎重にならなければならない。多くの要因が作用しているからだ。引き締めが行き過ぎ、後で巻き戻しが必要になる可能性はある」と述べた。来年末までに利下げが開始され、24年半ばまでに0.5ポイントの追加利下げがあると見込まれていることを、1カ月のフォワードのオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は示している。

返り血

資産運用大手のパシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)は、ロシアをデフォルト(債務不履行)に追いやる厳しい制裁が投資家に及ぼす影響について米財務省に警告した。PIMCO幹部は、運用会社がロシア関連資産の評価額引き下げを迫られた場合に米年金基金に発生する損失を財務省に説明。デフォルトと判断されれば、債権者に支払われるはずだった外貨準備がプーチン大統領の手元に残り、軍事資金が増えるとも説いた。非公表の問題だとして関係者らは匿名を条件に語った。

厳しい冬

米最大の暗号資産(仮想通貨)交換業者、コインベース・グローバルは従業員の18%を削減することを明らかにした。数億ドル規模の時価総額を失った仮想通貨市場に、さらなる悪化の兆候があらためて示唆された。ジェミニ・トラストや、仮想通貨を融資するブロックファイなど人員削減を発表している。コインベースはここ数年間で積極的に人員を増やしており、今年だけでも約1200人を採用。それと同程度の人員を削減し、4-6月(第2四半期)末時点の従業員数は約5000人になる見通し。同社の株価は年初から80%近く値下がりしている。

変動リスク

ゴールドマン・サックス・グループはフィンテック企業や航空会社、電子商取引会社といった顧客を対象に、数日持続する為替レートを提供する準備を進めている。1日当たり6兆6000億ドル(約890兆円)が取引される世界の為替市場で、変動による影響を回避する一助になることを目指す。同社はすでに数分間続く為替レートの提供を開始しているが、今後数週間にこれを拡大する計画。

クレジット市場に緊張

北米投資適格債の保証コストを示すマークイットCDX北米投資適格指数のスプレッドは、一時1.6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し100.4となった。2020年4月8日以来の高水準で、100を上回ったことは過去10年にまれにしかない。インフレ高進で米金融当局が利上げ加速を余儀なくされ、企業の既存債務借り換えや新規社債の発行が困難になることへの懸念が背景にある。過度の利上げや中国の新型コロナウイルス対策によって急激な経済収縮が引き起こされるとの見通しも、借り手の返済リスクを高める。ロベコ・シンガポール・プライベートのトゥ・ハ・チョウ氏は「これまでのところ、当局は後れを取っているように感じられ、これが緊張を引き起こしている」と話した。 

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