People are reflected in a window with signage advertising home mortgage services at a Bank of America Corp. branch in Manhattan Beach, California, U.S., on Tuesday, Sept. 10, 2013. Photographer: Patrick T. Fallon/Bloomberg

1994年11月15日。アラン・グリーンスパン氏が率いる当時の米連邦準備制度理事会(FRB)は、公定歩合を4%から75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)引き上げて4.75%とし、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標に反映させました。その理由を「インフレの抑制を維持し、そうすることによって持続可能な経済成長を促すためだ」と声明で説明しています。インフレ高進に先手を打った金融引き締めは、米経済をソフトランディング(軟着陸)に導くことに成功。40年ぶりの急激な物価高騰に動揺する現在とは、状況が異なります。

「強くコミット」

米連邦公開市場委員会(FOMC)は主要政策金利を0.75ポイント引き上げることを決めた。1994年以来の大幅利上げとなる。予想外に激しいインフレ高進を抑えるべく、声明では「委員会はインフレ率を目標の2%に戻すことに強くコミットしている」と表明した。パウエル議長は声明発表後の記者会見で0.75ポイントの利上げについて「この幅での利上げが普通になるとは想定していない」とした上で、「次回会合では50bpないし75bpの利上げが最も可能性が高そうだ。だが判断は会合ごとに行う」と述べた。

新たなツール

欧州中央銀行(ECB)は、ユーロ圏諸国の国債利回りが正当な根拠なく上昇するのを防ぐ新たな政策手段の開発を各部署に指示した。イタリア国債利回りがユーロ圏債務危機以来の水準に達したことを受け、ECB政策委員会は緊急会合を開催。金融政策の伝達メカニズムを維持するために、パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)で購入した債券の満期償還金再投資に柔軟性を適用する方針も示した。ダンスケ銀行のピート・クリスティアンセン氏は「ECBが金融政策の確実な伝達にコミットしているというシグナルを送った」と話した。

予想外の減少

5月の米小売売上高は前月比で0.3%減少。エコノミスト予想は0.1%の増加だった。前月比での減少は5カ月ぶり。自動車など高額商品の購入が大幅に減少し、高インフレの中で財の需要が鈍化していることを示唆した。自動車の販売は3.5%減少。食料品店は1.2%増加したが、インフレ調整されていないため、購入活動の増加よりも価格上昇を反映している可能性がある。GDPの算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高は前月比横ばいだった。

安全性

自動車の自動運転支援システムに関して米当局に報告された衝突事故では、大半がテスラ車であることが米運輸省道路交通安全局(NHTSA)のデータで明らかになった。一方でNHTSAは、今回のデータは極めて限定的であり、安全性を巡る結論を出すべきではないと説明している。自動車メーカー12社が2021年7月から22年5月15日までに報告した自動運転支援システム関連の衝突事故367件のうち、273件がテスラだった。テスラに次いで事故の報告が多かったのはホンダで90件。スバルからは10件報告があった。

消費者の味方

国内でインフレ懸念が高まり為替相場も約24年ぶりの円安水準となる中、デフレの象徴でもあった100円ショップのビジネスモデルが岐路を迎えている。都心を中心に店じまいする店も出始めた。プロディア(東京都豊島区)は今月1日、都内で運営する全9店舗をすべて閉店したと明らかにした。全国で約1700店舗を展開するセリアでは、今期(2023年3月期)の売り上げについて前年同期比4.2%増とみているのに対し、営業利益は16%低下すると予想。原価上昇を抑えるため低原価商品の開発に注力するという。

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