[ニューヨーク 16日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、スイスフランがドルやユーロに対して急騰した。スイス国立銀行(中央銀行)が16日、想定外の利上げに踏み切ったことが背景。

スイス中銀は15年ぶりとなる利上げを決定し、政策金利を0.5%ポイント引き上げマイナス0.25%とした。ロイター調査では、ほぼ全てのエコノミストが金利据え置きを予想していた。

これを受け、スイスフランは対ユーロで急騰。ユーロ/スイスフランは1.9%安の1ユーロ=1.019フランと2カ月ぶりの安値に急落した。1日の上昇幅としてはスイス中銀が2015年に通貨ペッグ制を廃止して以来最大だった。

米ドル/スイスフランは3.1%下落。1日の下げ幅としては約6年半ぶりの大きさとなる見通し。

OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「スイス中銀には常にサプライズの余地があったが、ほとんどのトレーダーはこれほど積極的な行動を予想しておらず、驚きだった。それがドル相場の基調を決めた」と述べた。

この日はイングランド銀行(英中央銀行)も、政策金利を0.25%ポイント引き上げ1.25%とすると発表。昨年12月から5会合連続の利上げを決めた。

英ポンドは不安定な値動きの一日となった。イングランド銀の発表直後は下落したが、その後は反転し、対米ドルで1.42%高の1.235ドルと、6月10日以来の高値を付けた。

ドル指数は1.1%下落し103.66。依然として15日に付けた20年ぶり高値105.79に近い水準にある。

ドル/円は1.3%安。日銀が17日まで開催する政策決定会合に注目が集まっている。円が数十年ぶりの安値圏にあることで、日銀が短期的に政策を微調整する可能性がわずかに出てきたとの観測も聞かれる。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2.94%下落し2万0993.36ドル。

ドル/円 NY終値 132.20/132.23

始値 133.07

高値 133.22

安値 131.50

ユーロ/ドル NY終値 1.0547/1.0551

始値 1.0404

高値 1.0601

安値 1.0384