サマーズ元米財務長官は17日、米金融当局の経済予測を再び批判し、インフレを抑制するためには米失業率が政策当局者の予想をはるかに超えて上昇するリスクがあるとの見方を示した。
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同氏は「米金融当局および市場参加者の大半が事態の深刻さを過小評価しているとなお考える」とブルームバーグテレビジョンで述べた。
15日に発表された最新の四半期経済予測では、米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者はインフレ率が来年には3%を下回る水準に、2024年には2%近くに下がるとの見通しを示唆。失業率は2024年までに4.1%に上昇するというのが予想中央値となっている。5月は3.6%だった。
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サマーズ氏は今回の予測について、3月時点の予測からは「壮大な」修正となったものの、依然としてベースライン予想というより楽観的なリスクシナリオにみえると指摘。
ハーバード大学教授でブルームバーグテレビジョン寄稿者である同氏は「この先ある時点で、失業率が恐らく2ポイントもしくはそれ以上に大幅上昇することなしに正常な状態に戻ることはないというのが、より賢明な判断だ」と述べた。
同氏のシナリオでは失業率は5.6%以上となる。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は、来年および24年も失業率は4%を下回る水準となっている。
またサマーズ氏は「リセッション(景気後退)を経験することなくインフレ率が2.5%に下がるとしたら、私としては非常に驚くだろう」とも述べた。
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原題:Summers Sees Risk of US Unemployment Needing to Climb Toward 6%(抜粋)