[ニューヨーク 23日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロの下落が目立った。独仏の経済指標が予想を下回り、ユーロ圏経済の伸び悩みを示したことから、欧州中央銀行(ECB)による利上げ幅縮小観測が浮上した。

一方ドルは、主要通貨バスケットに対して上昇。景気後退の見通しが強まる中、安全資産である米国債の需要が高まり、リスク選好が後退した。

S&Pグローバルが23日発表したドイツの6月の購買担当者景気指数(PMI)速報値によると、ドイツ経済は急激に失速した。同じく6月の仏PMI速報値も予想を下回った。

これを受けて金融市場が織り込む7月のECB利上げ幅は、20日の34bp(ベーシスポイント)から約30bpに縮小。年末までの利上げ幅についても、20日の176bpからこの日は161bpに縮小した。

ユーロ/ドルは0.5%下落し1.0509ドル。ユーロ/円も1.4%下落し、141.85円となった。

パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の慎重な発言を行ったことが心理的な重しとなり、ユーロが下落、ドルはそれまでの安値から反転しプラス圏に浮上した。

パウエル議長は22日の上院銀行委員会の公聴会で、景気後退は「確かにあり得る」と明言。23日、下院金融サービス委員会の公聴会でも、インフレを抑制するFRBのコミットメントは「無条件」と表明した。

ドル指数は0.3%上昇し、104.48となった。

ドル/円は0.9%下落し134.94円。週初に付けた24年ぶりの高値からさらに後退した。