米国株の厳しさを数字が物語っています。S&P500種株価指数が終値ベースで前営業日比2%以上下げて終了した日は、今年これまでに14回。まだ1年の半分が過ぎたばかりですが、既に過去20年余りのワースト10に入っています。最も多かったのは金融危機当時の2008年で、通年で41回ありました。02年の29回、09年の28回が後に続き、今年は現在のペースが続くとすれば、歴代ワースト3入りとなります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
最後の主要拠点から撤退
ウクライナは東部ルガンスク州における最後の主要拠点リシチャンスクから軍を撤収させた。「ウクライナ兵の命を守るために決定がなされた」と同国軍が説明した。ロシア国営メディアはこれより前、ショイグ国防相がプーチン大統領に対し、リシチャンスクを陥落させたことを報告したと伝えていた。これによりロシアは、ルガンスクとドネツクから成るドンバス地方の制圧という目標に一歩近づいた。
記録的不履行に拍車
中国の不動産開発会社である世茂集団は、ドル建て社債10億ドル(約1350億円)相当について、3日の期日に償還できなかったと発表した。香港証券取引所への同日の届け出で、他の数本のオフショア社債についても元本の償還ができていないと報告した。中国当局による不動産業界の締め付けを背景に、同国社債の不履行は記録的な水準となっている。世茂集団については財務の健全性を巡る懸念がここ数カ月高まっていた。
抑え込めず
中国で新型コロナの感染拡大が続いている。2日には計385件の感染が報告された。大規模検査の実施により、東部の安徽省だけで290件余りの感染が確認されている。香港では李家超行政長官が、全域を対象とした強制検査は当面必要ないとしつつ、新規感染を減らす必要があると指摘。香港では3日、新たに1828件の感染が確認された。またマカオでは、新型コロナによる初の死者が報告された。
需要破壊
世界的な燃料コスト急上昇が需要への重しになり始めていると、世界最大の独立系石油商社ビトル・グループが指摘した。同社のアジア責任者マイク・ミュラー氏は「価格高騰により経済的ストレスが起きているという非常に明確な兆候があり、需要破壊だとの声も一部にある」と指摘。「精製マージンは誰も予測しなかったような水準にある」と述べた。
バレル380ドルも
原油相場は欧米による制裁がロシアの報復的な生産削減につながれば、1バレル当たり380ドルという「成層圏」に達しかねない。JPモルガン・チェースのアナリストらが警告した。供給が日量300万バレル削減されれば北海ブレント原油は190ドルに、500万バレル削減という最悪のシナリオの場合には「成層圏」の380ドルに、それぞれ達する可能性もあると分析。「西側諸国に苦痛を与える手段として、ロシア政府が生産削減で報復する可能性はあり得る」とした。
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