neighborhood under lockdown due to Covid-19 in Shanghai.Source: Qilai Shen /Bloomberg

中国財政省は地方政府に対して7-12月(下期)に1兆5000億元(約30兆円)相当の特別債発行を許可することを検討している。景気てこ入れを目指しインフラ投資を加速させる。

  公に話す権限がないとして匿名を条件に述べた関係者によると、債券発行は来年の発行枠から前倒しされる。このような発行前倒しは前例がなく、中央政府が景気への懸念を深めていることがうかがわれる。

  通常は地方政府債の発行は新会計年度が始まる1月1日以降になる。このスケジュールの変更は国務院による審査が必要で、国会に相当する全国人民代表大会(全人代)の承認も必要な可能性があるという。

  この地方債発行で調達した資金の大半は、従来の景気対策同様にインフラ投資に使われる見通しで、ここ数週間に発表された合計1兆1000億元規模のインフラ拡充策に上乗せされる。中国政府は年間5.5%前後の経済成長目標を達成するため景気を立て直そうとしている。

  この中国の景気対策に関する報道で欧州の取引時間帯に商品相場が上昇。ロンドン金属取引所(LME)の銅相場は一時3.6%高の1トン=7789ドルを付けた。

  ソシエテ・ジェネラルのアジア太平洋調査責任者兼チーフエコノミスト、姚煒氏は「地方政府がさらに多くの資金を必要としていることは、しばらく前から明らかだった。本日のニュースは、中央政府が依然として自らのバランスシート拡大には消極的であることを示唆している。代わりに地方政府の債券発行枠を2023年から前倒しするとのことだが、それは来年に財政の崖が生じることを意味する」と述べた。

  それでも、中国の成長目標達成は「困難を極める」と姚氏は指摘。ソシエテは中国の今年の成長率を4%と見込む予想を堅持すると明らかにした。

  中国の財政省と国家発展改革委員会にファクスでコメントを求めたが、応答はない。

原題:China Mulls $220 Billion Stimulus With Unprecedented Bond Sales(抜粋)