[シドニー 12日 ロイター] – 国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は12日、ロシア産原油の価格に上限を設定するという主要7カ国(G7)の構想について、石油製品も含めるべきだと述べた。

価格上限案は、ウクライナに侵攻しているロシアの資金源を封じるとともに、原油の供給逼迫懸念やインフレに対応する措置としてG7が検討している。

ビロル事務局長は、シドニー・エネルギー・フォーラムの会場でロイターに「この提案は世界経済への影響を最小限に抑えるために重要で、複数の国が賛同することを希望する」とした上で、「提案を進める場合は対象を原油に絞るべきでない。各国にとって精製品も重要で今後数カ月でより大きな課題となると予想される」と述べた。

ガソリンや軽油など石油製品の価格は原油以上に値上がりしている。

事務局長が共同で主催するシドニー・エネルギー・フォーラムでは、太陽光発電技術の中国への依存や、重要鉱物のロシアやコンゴ民主共和国への依存を減らすための対策を協議する。

事務局長は、重要鉱物の供給が混乱した場合に加盟国や準加盟国の間で供給を調整する計画についてIEAが作業を進めていると表明。

太陽光発電技術についても、中国への依存を減らすため、オーストラリア、インド、インドネシア、米国が生産能力を確保する余地があると指摘した。現在の建設計画に基づくと、中国の市場シェアは2025年には95%になるという。