サマーズ元米財務長官は、米連邦準備制度の利上げの遅れについて厳しい批判を展開した。また、政策当局者が依然として非現実的な予測を示していると警鐘を鳴らした。
サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンの番組で「2021年に米金融当局にひどく失望させられた」とし、政策当局者の信頼が傷つけられたと指摘。米金融当局が昨年に「中核的な機能でミスを犯した」と述べた。
同氏はミスの一つとして「精度の低い予測の繰り返し」を挙げ、「それは完全には修正されていないと言わざるを得ない」と述べた。金融当局者の最新の経済予測(中央値)では、インフレ率が目標とする2%に向かって戻っていく一方で、失業率は24年に4.1%までしか上昇しないと見込まれている。これは、「非常に信じがたい」結果だと同氏は述べた。
サマーズ氏は「率直に言って、21年に米金融当局は道を見失ったと思う」とし、「インフレ懸念を一時的なものだとして、自信を持って一蹴していた」と述べた。
一方、日本については、現在のイールド・カーブ・コントロール(YCC)の枠組みを解除するのは困難になる公算が大きいとの見方を示した。
日本銀行が「遅かれ早かれYCC戦略を解除することになるだろうが、その際に何が起こるのか完全には分からない」と同氏は指摘。 さらに円安が進みYCC解除に向けた圧力が高まる公算が大きいとの見方を示した。
原題:Summers Says Fed ‘Let Us Down Quite Badly’ and Still Unrealistic(抜粋)