ユーロ圏と日本の中央銀行は、米連邦準備制度理事会(FRB)が主導する積極的な金融引き締めの潮流にあらがえるのか。21日の両中銀の政策会合で明らかになる。
エコノミストの間では、欧州中央銀行(ECB)は21日の政策委員会で、10年以上ぶりの利上げの幅を0.25ポイントに抑えるとの見方が大勢。それに先立ち日本銀行は同日の金融政策決定会合で金融緩和スタンスを維持すると見込まれている。
予想通りとなれば、インフレ高進に直面しながらも金融引き締めにちゅうちょする姿勢が鮮明になる。ここ1週間で韓国やカナダの中銀が引き締め姿勢を強めており、投資家の間では米金融当局が歴史的な1ポイント利上げに動くとの観測も浮上している。
ECBは漸進的な利上げの方針を打ち出した6月上旬以降、その路線を堅持しており、インフレ率は当局の目標の4倍の水準にあっても、戦争地帯に隣接する経済の基調的な圧力を反映していないとの主張を崩していない。
消費者物価上昇率がユーロ圏に比べてはるかに低い日本の当局者も、超低金利政策がどれだけ継続できるかという問いに直面している。先の参院選での自民党大勝は、国民のインフレ懸念が危機的レベルにまだ達していないことを示したが、安倍晋三元首相の殺害事件の結果、与党内で強く金融緩和策を提唱してきた1人がいなくなった。
世界的に金融引き締めの潮流が強まる中で、ユーロと円は金融政策を理由に売り込まれており、輸入物価の急上昇に伴い中銀の任務は複雑化している。ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のリポートは「日銀は難しい立場にある。超低金利策は中小企業の支援と政府の債務管理に必要だが、消費者は苦しんでいる」と分析した。
原題:World’s Rate Laggards at ECB and BOJ Take Center Stage: Eco Week(抜粋)