[東京/ソウル 18日 ロイター] – 日韓両政府は18日午後に外相会談を開き、第2次世界大戦中の朝鮮半島出身者の労働問題、いわゆる元徴用工問題の早期解決を図ることで一致した。朴振外相は、差し押さえられた日本企業の資産が現金化される前に解決策を出す意向を示した。日本の外務省が発表した。

日本の外務省によると、林芳正外相は朴外相に対し、元徴用工問題をはじめとする両国間の懸案を解決する必要があると伝達。朴外相は、韓国国内にある日本企業の資産が現金化される前に解決策が出るよう努力すると応じた。その上で両外相は、問題を早期に解決することで一致した。

日韓関係は文在寅・前政権下、従軍慰安婦や元徴用工問題を巡って悪化。特に元徴用工問題では韓国最高裁が日本企業に賠償を命じ、両国関係を一層冷え込ませた。

韓国最高裁は8月─9月にも売却命令を確定させる可能性がある。日本側は資産が売却されれば深刻な影響を招くと警告している。

朴外相の訪日は、5月の尹錫悦政権発足後初めて。同日午後に林外相と会談し、その後夕食をともにした。朴外相はソウル出発前、尹大統領が両国関係を改善する強い意向があると日本側に伝えると記者団に語っていた。日本の外務省によると、朴外相が滞在中に岸田文雄首相と面会するかどうかは決まっていない。

両外相は、今の安全保障環境を考えると日米韓3カ国の協力を進展させることが重要との認識でも一致した。ロシアによるウクライナ侵攻を非難することも申し合わせた。

日本の外務省関係者は「外相間のやりとりを踏まえながら、一貫した立場に基づいて尹錫悦政権と緊密に意思疎通していく」と説明した。

(杉山健太郎 編集:久保信博)