[ベルリン/フランクフルト 18日 ロイター] – 経営難に陥っているドイツのガス・電力会社ウニパーは18日、国営のドイツ復興金融公庫(KfW)に対して現在20億ユーロ(約20億3000万ドル)の信用枠を引き上げるよう申請した。ロシア産ガス供給不足を背景に、既に既存の信用枠の上限まで借り入れた。
ウニパーによると、調達コストの上昇を顧客に転嫁し、国による「関連株式」の取得を可能にする法的メカニズムの発動も提案した。
ドイツ最大のガス輸入業者であるウニパーは、ガス不足と価格高騰によって財務基盤が悪化。今月上旬にドイツ政府に救済を要請し、ドイツとフィンランドの間での緊急協議の対象となった。
ドイツ経済・気候保護省の報道官は18日、政府はウニパーと、その大株主であるフィンランドの政府系電力大手フォータムと支援方法を協議していると述べた。フォータムはウニパーの78%の株式を保有している。
クラウス・ディーター・マウバッハ最高経営責任者(CEO)は「ウニパーは現在、ロシアからの供給抑制によるドイツのガス供給不足の代償を払っている」とし、「ロシアからの供給削減が止まるか、ドイツ政府がエネルギー安全保障法の手段を使うかのいずれかがなければ、将来にわたるガス供給網の連鎖的な問題を防ぐことはできない」と述べた。
ユニパーは、KfWの信用枠がいつまで続くか分からないとし、これは市場の動向次第になると説明した。
一方、18日付独済専門紙ハンデルスブラットは関係筋の話として、ウニパー救済策の骨子が週内にも決定されると報じた。これには、独政府による株式取得や、親会社フォータムから独ガス事業を切り離して国有化するかを巡る決定が含まれる。