【キーウ(キエフ)AFP時事】ウクライナ南部オデッサの当局者は23日、オデッサ港にロシア軍によるミサイル攻撃があったと発表した。イスタンブールでロシアと穀物輸出再開の合意に調印した翌日の攻撃を強く非難している。

 オデッサ当局は声明を出し「敵は巡航ミサイル『カリブル』でオデッサ港を攻撃してきた」と主張。「うち2発は撃墜したが、2発は港のインフラを破壊した」と明らかにした。

 ウクライナ外務省報道官は「合意の達成に大変な努力を注いでくれた国連のグテレス事務総長とトルコのエルドアン大統領の顔に、ロシアのプーチン大統領は唾を吐いた」と批判した。「合意を履行できなくなれば、世界の食料危機悪化の全責任をロシアが負うのだ」と訴えた。

 国連のハク事務総長副報道官も声明を出し「事務総長はオデッサ港攻撃を明確に非難する」と発表。「ロシア、ウクライナ、トルコによる合意の完全な履行は必須だ」と呼び掛けた。

 トルコのアカル国防相は「このようなことが合意の後に起こり、懸念している」と発言。「ロシア側はわれわれに、今回の攻撃に全く関係しておらず、詳しく調べていると話した」と明らかにした。

 欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表(外相)はツイッターに「イスタンブールでの調印から一夜明けたら穀物輸出の中心施設を狙って攻撃した」と書き込んだ。「ことさら非難に値する。国際法も国際的な約束もロシアは完全に無視することがまた示された」と強く非難した。