[2日 ロイター] – 米カンザス州で2日、州憲法から人工妊娠中絶の権利を削除することの是非を問う住民投票が行われ、中絶権の維持を支持する票が過半数を占めて州憲法修正案は否決された。中絶を憲法上の権利と認める1973年の「ロー対ウェイド判決」を覆す判断を連邦最高裁が下してから初の州住民投票は中絶権擁護派の勝利となった。

カンザス州は保守色が強く、共和党の支持者が多い州でアナリストは住民投票で修正案が承認されると予想していた。しかし開票率98%時点で中絶権の維持を望む票は59%で、削除賛成の約41%を上回った。(エジソン・リサーチ調べ)

住民投票を受け、共和党主導の州議会は厳格な中絶制限法案を可決できなくなる。

バイデン大統領は「住民投票の結果は、女性が中絶の選択肢を持ち自身の身体に関する決定をする権利を持つべきという国民の過半数意見を明らかにした」と称賛した。

2月に公表された同州住民への調査では、完全な中絶禁止を支持しないという意見が大勢を占め、中絶の完全非合法化に反対と答えた割合が60%、「州政府は女性が中絶できる環境を規制すべきでない」という意見が50.5%を占めた。

中絶権を巡る住民投票は年内にケンタッキー、カリフォルニア、バーモント各州で予定されている。