[台北 9日 ロイター] – 台湾のジョセフ・ウー外交部長(外相)は9日、中国がペロシ米下院議長の訪問に抗議して開始した軍事演習について、台湾侵攻を準備する作戦の一環だと非難した。記者会見で述べた。 

想定される侵攻時期には触れなかった。

中国が演習を続け、台湾海峡の中間線を何度も超えても台湾は脅かされることはないと述べた。

「中国は台湾侵攻の準備のために演習を利用している」と述べ、「台湾海峡の平和と安定」を守るために国際的な支援を要請した。

「中国は大規模な軍事演習やミサイル発射、サイバー攻撃、偽情報の拡散、経済的圧力を用いて台湾の人々の士気を低下させようとしている」と語った。

さらに「中国は演習の終了後、台湾海峡の長期的な現状を破壊するため、活動をルーチン化する可能性がある」とし、こうした動きは地域の安全保障を脅かし「中国の台湾を超えた戦略地政学的な野望を明確にイメージさせる」と発言。中国による事実上の台湾海峡支配を止めるため、国際社会に支援を求めた。

米国のコリン・カール国防次官(政策担当)は8日、米政府は中国が台湾を軍事的に占領する可能性に関する見通しを変えていないと述べ、中国が向こう2年以内に台湾占領を試みることはないとするこれまでの見方を堅持するとした。

台湾は9日、以前から予定されていた軍事演習を開始し、南部の屏東県でりゅう弾砲を海に向かって発射した。

中国人民解放軍は9日、台湾周辺の海域および空域での演習を継続していると明らかにした。封鎖と補給に焦点を置いた演習という。

関係筋によると、中国と台湾の軍艦約20隻が9日、台湾海峡の中間線付近にとどまっている。台湾軍が監視する中、一部の中国軍艦が中間線を越えようとする動きを見せているという。

台湾国防部(国防省)は9日、中国の軍事演習継続について「軍事的圧力が低下していないことは明らかだ」と述べた。