ロシアはウクライナを経由する中欧向けの原油供給を再開した。トランジット輸送料金で問題が発生し、石油パイプラインは一時操業を停止していたが、ハンガリーの製油業者が料金を支払うことで解決した。
ハンガリーのMOLの発表によれば同社は10日、スロバキアにロシア産原油が到着し始めたことを確認した。ハンガリーへは11日に到着するという。支払いで合意したトランジット輸送料金は、チェコへの輸送を対象としていない。
ロシアの国営パイプライン運営会社トランスネフチの広報担当者イーゴリ・デョーミン氏はこれより先、南部ドルジバ・パイプライン向けの供給は計画通り再開していると、ブルームバーグに語っていた。ウクライナからトランジット再開の準備が整っているとの確認があったという。
南部ドルジバ・パイプラインはハンガリーやスロバキア、チェコ向けにロシア産原油を供給していたが、8月4日に操業を停止した。トランスネフチはウクライナのパイプライン業者ウクルトランスナフタにトランジット輸送料を送金したが、欧州の銀行が対ロシア制裁を理由に手続きを拒否したためだ。
これを受けMOLが10日、トランジット輸送料をウクライナに支払った。ベラルーシを経由しポーランド、ドイツにつながる北部ドルジバ・パイプラインは今回の問題による影響を受けなかった。
原題:Russia Resumes Oil Flows to Central Europe as Fee Is Paid (1)(抜粋)