ウクライナ東部ルガンスク州で続く戦闘。りゅう弾砲を発射する自称「ルガンスク共和国」の部隊=2022年8月13日、ロイター
ウクライナ東部ルガンスク州で続く戦闘。りゅう弾砲を発射する自称「ルガンスク共和国」の部隊=2022年8月13日、ロイター

 ウクライナ紙「ウクラインスカ・プラウダ」(電子版)は15日、ウクライナ軍が東部ルガンスク州にある露民間軍事会社「ワグネル」の拠点を破壊したと報じた。同州のガイダイ知事はこの攻撃で、ワグネルの戦闘員100人以上が死亡した可能性があると述べた。

 ワグネルは、プーチン氏に近い新興財閥(オリガルヒ)のエブゲーニー・プリゴジン氏が経営に関わっているとされる。戦闘員は2014年のクリミア強制編入の際に派遣されたほか、今回の侵攻でも主に東部ドネツク、ルガンスク両州で戦闘に参加。シリアやリビアの内戦など国外の紛争にも関与していると伝えられてきた。

 プラウダ紙などによると、ワグネルの拠点はロシアが占領するルガンスク州ポパスナにあり、ウクライナ軍は米国から供与された高機動ロケット砲システム(HIMARS)で攻撃したとみられる。

 ガイダイ氏は通信アプリ「テレグラム」への投稿で、ワグネルの拠点の位置を「ロシア人記者のおかげで」把握できたと説明した。このロシア人記者は8月上旬、ワグネルの拠点を訪ねた時の写真をテレグラムに投稿していたという。【エルサレム三木幸治】