[東京 22日 ロイター] – 内閣府は22日、現行の景気動向一致指数にサービス関連などのデータを反映させた「景気を把握する新しい指数(一致指数)」を参考指標として初めて発表した。6月分は102.5(2015年=100)となり、前月から1.6ポイント改善した。既存の景気動向一致指数は4.1ポイントと、比較可能な1985年以降で最大の伸びとなったが、新指数はより緩やかな動きとなった。

新指数では、採用する経済統計を現行の10指標から17指標に拡充した。現行の景気動向遅行指数の算出に使用されてきた第3次産業活動指数や、新たに実質サービス輸出などを追加した。現行の一致指数は、鉱工業生産など製造業の統計に偏っており、サービス関連の統計を十分反映していないとの意見から、2020年夏以降検討が進められ、先月の景気動向指数研究会において導入が決定された。

内閣府は、企業の設備投資や輸出と比べ消費は水準が安定しているため、新しい指数は現行の一致指数と比べ、動きが緩やかになる特徴があるとしていた。

内閣府は新指数を当面、参考指標として毎月公表する。今後、新指数を従来の一致指数に置き換えるかについては、データの蓄積を踏まえ、それらが景気をより適切に反映しているかどうかなどが検討課題となる。