[ワシントン 24日 ロイター] – 米司法省は24日、トランプ政権時代に行われた2016年大統領選へのロシア介入疑惑捜査について、裁判所の命令に基づき、同省の2人の高官が当時のバー司法長官にトランプ氏を司法妨害の罪に問わないよう助言した19年のメモを公開した。
メモの一部は既に公開されていたが、司法省が黒塗りにした部分があった。首都ワシントンの連邦高裁は先週、非営利団体「ワシントンの責任と倫理を求める市民(CREW)」が提起した訴訟で、黒塗りは不適切だとして公開を命じた。
ロシア疑惑を捜査したモラー特別検察官は報告書で、トランプ陣営がロシア側と接触した複数の事例を詳細に説明。ただ、トランプ氏がロシアとの共謀の罪を犯したとは結論付けず、同時に捜査妨害疑惑について潔白を立証することもしなかった。
バー氏は報告書を受けて、司法省法律顧問局を当時率いていたスティーブン・エンゲル氏と同省幹部のエドワード・オキャラハン氏に意見を求めた。
両氏はメモで、モラー氏の報告書の第1章が、トランプ氏や同氏陣営のメンバーがロシアと違法に共謀したと立証できていないため、トランプ氏が捜査を妨害すべき理由もなかったと指摘した。
バー氏はその後、モラー氏の報告書について自身の見解を公表し、司法妨害はなかったとしたが、トランプ氏に有利な一方的な解釈との批判もあった。