28日、ソウルで行われた韓国最大野党「共に民主党」の党大会で代表に選出され、両手を挙げる李在明議員(EPA時事)
28日、ソウルで行われた韓国最大野党「共に民主党」の党大会で代表に選出され、両手を挙げる李在明議員(EPA時事)

 【ソウル時事】韓国最大野党「共に民主党」は28日、党大会を開き、空席になっていた代表に3月の大統領選で尹錫悦大統領に惜敗した李在明議員(57)を選出した。李氏は受諾演説で「再び政権に就くための土台構築に失敗すれば私の使命も終わるという気持ちで臨む」と訴えた。

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 党員や代議員の投票、世論調査を合算して争われた代表選で、李氏が77.8%を得票し圧勝した。任期は2年。今年6月に国会議員に初当選した李氏は、次期大統領選出馬を視野に、2024年4月の総選挙での同党勝利を目指す。

 李氏は昨年「(南北朝鮮でなく)侵略国家である日本が分断されるべきだった」と述べるなど、対日強硬姿勢で知られる。共に民主党は既に尹政権の積極的な対日姿勢をけん制しており、李氏も8日、元徴用工問題に関して韓国外務省を批判した。

 李氏は受諾演説で、尹氏に会談を提案し協力姿勢を見せつつも「国民生活と経済、民主主義と平和の価値を傷つけ、歴史を逆戻りさせる退行と独走には決然と立ち向かい、闘う」と強調した。共に民主党は国会で多数を占めており、李氏の代表就任は現政権にとって重荷となりそうだ。

 一方、李氏をめぐっては複数の疑惑で検察・警察の捜査が進行中で、リスクを抱えた就任となる。同党は26日、起訴された場合は職務停止となる党の規定について、政治弾圧と判断されれば代表がトップの党務委員会で取り消せるよう改正した。李氏が自らを救済できるようになるため批判が根強く、捜査の行方次第では党内対立の火種となる可能性がある。