• 金利上昇が米企業に与える影響警告、欧州電力危機で緊急介入計画
  • ECB利上げ幅巡る議論、マスク氏が持論展開、リスク資産に脅威
The view from the front row in Arthur Ashe Stadium at the 2021 US Open, in Flushing, New York. Photographer: Darren Carroll/USTA

テニスの全米オープンが開幕。開催地ニューヨークを訪れる観客は物価の高さに嫌気がさすかもしれませんが、コートサイドの席に特別な食事などを組み合わせた高額チケットに対する企業の需要は旺盛のようです。大会関係者によれば、1席当たりの値段が1万ドル(約140万円)を超えるチケットもあるとのこと。ウォール街のエリートや見込み客を接待したい企業幹部にとって、全米オープンは長年の人気イベント。高インフレで家計が苦しむ中、コートサイドは節約とは無縁の世界のようです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

金利上昇の影響懸念

ウォール街の大手金融機関の一部は、長期にわたるより高水準の金利が米企業の収益力を一段と圧迫し、株価上昇が脅かされると懸念している。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは、8月の米雇用統計が強い内容となれば、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での0.75ポイント利上げに向けた環境が整う可能性もあると指摘。モルガン・スタンレーのストラテジストは米企業の「業績には著しい下振れ余地がある」と警鐘を鳴らした。

電力危機で緊急措置へ

欧州連合(EU)は高騰する電力価格の押し下げを目指し、緊急措置を講じる計画だ。電力市場の改革に向けた提案も取りまとめている。欧州委員会のフォンデアライエン委員長が明らかにした。週内にも詳細な計画を提示する可能性があるという。EU議長国のチェコは加盟国のエネルギー担当相による臨時会合を招集。同国は発電に用いる天然ガスの価格に上限を設けることを提案している。

タカ派の主張押し戻す

欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミスト、レーン理事は記録的な高インフレに対処するために通常より大きな利上げを行うことに慎重姿勢を示した。ECB政策委員会メンバーの一部からは、来週の会合で0.75ポイントの利上げを議論すべきだとの声が上がっており、これを押し戻した格好。ユーロ圏インフレ率はECB目標水準の4倍余りとなっているが、ロシアが欧州大陸向けのエネルギー供給を制限する中でリセッション(景気後退)の可能性も高まっている。

今は石油とガス必要

テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、将来的には再生可能エネルギーへの転換が必要だとしつつ、現時点ではエネルギー不足に対応するためより多くの石油と天然ガスが必要だとの見解を示した。また、洋上風力に「極めて大きな潜在能力」があるとしたほか、原子力エネルギーを支持する考えも表明。「しっかりと設計された原発があれば、特に現時点において稼働を停止するべきではない」と語った。

リスク資産に脅威

米連邦準備制度理事会(FRB)は9月からバランスシートの削減ペースを加速する。この量的引き締め(QT)の影響が過去2年の量的緩和(QE)と同程度であれば、リスク資産には未知の事態が待ち構えていることになると、アカデミー・セキュリティーズのマクロ戦略責任者ピーター・チア氏は指摘した。量的引き締めの加速により、すでにリセッションに入っている可能性のある経済に下押し圧力が加わると同氏はみている。

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