• ロシア政府内で深刻なリセッション脅威論、英次期首相にトラス外相
  • 予想外の原油減産計画、人民元防衛を強化、欧州エネルギー危機
A tourist waits for a picture at Times Square on July 17, 2022, in New York.  Photographer: VIEW press/Corbis News

夏の終わりを告げるレーバーデーの祝日。ブルームバーグがまとめた米運輸保安局(TSA)のデータによれば、この夏に米国で飛行機を利用して旅行した人は1日200万人(7日平均)を超え、コロナ禍前の水準をほぼ回復しました。一方で1月から7月にかけてキャンセルされた米航空会社の便数は10万便を超え、2019年の同期間を上回っています。空港での長い待ち時間や、払い戻しを巡る航空会社やホテルとの交渉など、この夏は苦い思い出もあったかもしれません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

ボディーブロー

ロシアはより長期かつ深刻なリセッション(景気後退)に見舞われる可能性があることが、ロシア政府向けに作成された内部文書で明らかになった。この文書はウクライナ侵攻によるロシア経済孤立化の影響を正確に判断しようと、当局者や専門家らが数カ月かけてまとめたもので、当局者らが通常示す楽観的な公式発表よりもかなり悲観的な状況を描いている。リポートで示されたシナリオ3つのうち、2つでは経済縮小が来年に加速し、経済が戦争前の水準に戻るのは早くても2020年代末かそれ以降としている。

目前の課題

英国の次期首相はトラス外相(47)に決定した。英経済は厳しい逆風に直面しており、今年の冬には数百万人が貧困に陥る恐れがある中、難しいかじ取りを迫られる。決選投票の結果は事前の調査が示唆したよりも対立候補との差は小さく、党の団結に向けトラス氏が向き合う課題の大きさを浮き彫りにした。トラス氏は当選後、党幹部に対して「今後2年間に政策実行力があることを示す必要がある。減税と経済成長のための思い切った計画を実行する」と表明した。6日、スコットランドのバルモラル城でエリザベス女王から任命されて正式に首相に就任する。

巻き戻し

石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は、10月の生産量を日量10万バレル削減し、8月の生産水準に戻すと発表した。市場の動きに対応するために必要となれば臨時の閣僚会議を開催する考えも強調した。次回の会合は10月5日に予定されている。9月については原油価格引き下げを狙うバイデン米大統領からの協力要請に応じた形で、増産を決定していた。世界的な景気減速懸念から原油先物が過去3カ月に20%下落したことを受け、相場の安定化を図る。

人民元防衛

中国人民銀行(中央銀行)は15日に市中銀行の外貨預金準備率を2ポイント引き下げ、6%とすると発表した。外貨預金準備率引き下げは4月以来で今年2回目。人民元が2年ぶり安値を更新する中で、元安進行の阻止が狙いとみられる。外貨預金準備率の発表前、人民銀の劉国強副総裁は5日の記者会見で、中国は人民元を安定した水準に維持できるとし、人民元が上下双方向に動くのが「常態」だと話していた。

深刻化の恐れ

欧州の天然ガス先物は5日の取引で急騰。ロシアのガスプロムは欧州向けにガスを供給する主要パイプライン「ノルドストリーム」について、当初の計画通りに稼働を再開できないと発表した。欧州の主要国をリセッション(景気後退)に陥れる可能性があるエネルギー危機を一段と深刻化させる恐れもある。指標のオランダ期近物は一時35%高となった。先週は37%下げていた。

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