Alex Wickham
- 標準的世帯の電気・ガス料金を現行の年間1971ポンド以下に抑制する
- ポンドは約2年半ぶりの安値から反発し、一時0.6%高の1.1586ドル
英与党保守党の党首選で勝利したトラス次期首相は、英国の標準的世帯の電気・ガス料金を現行の年間1971ポンド(約32万円)以下に抑制する支援策を策定した。同案について説明を受けたトラス氏の顧問や当局者らが明らかにした。
アジア時間6日午前の外国為替市場では、新たな財政措置に伴うセンチメントの改善で英ポンドの対ドル相場が約2年半ぶりの安値から反発し、一時0.6%高の1ポンド=1.1586ドルで取引された。5日には2020年3月以来の安値となる1.1444ドルまで下げていた。
トラス氏は、エリザベス女王の静養先であるスコットランドのバルモラル城で6日に首相に任命される予定。ウクライナ侵攻で制裁を受けるロシアが欧州向けの天然ガス供給を制限する状況で、家計と企業を圧迫するエネルギー価格高騰への解決策を求める圧力が新首相に重くのしかかる。
ブルームバーグが内容を確認した文書によれば、光熱費抑制策に伴う政府支出は今後1年半で1300億ポンド(約21兆円)に上る可能性がある。
既存の価格決定方式の下で、10月初めから光熱費の大幅な引き上げ開始が予定されており、トラス次期首相は自らのチームおよび政府当局者との協議を経て、急激な値上がりを回避する手段を決定した。
ナショナルオーストラリア銀行の通貨ストラテジスト、ロドリゴ・カトリル氏は「英国のニュースがセンチメントを全般に押し上げている。積極的な財政支援は窮地に陥っていたポンドにとって朗報であり、財政政策が拡張的と分かれば、イングランド銀行(英中央銀行)に積極的な引き締めの軌道を維持させる可能性が高い」と指摘した。
原題:Pound Extends Rebound on Truss Energy Plan: Inside G-10、
Truss Earmarks £130 Billion to Keep UK Energy Bills Below £2,000(抜粋)