[13日 ロイター] – 米ツイッターを内部告発した元セキュリティー責任者で著名ハッカーのピーター・ザトコ氏が13日、上院司法委員会の公聴会に出席した。証言では、米連邦捜査局(FBI)がツイッターに対し従業員の中に中国の工作員が少なくとも1人いると通知していたことが初めて明らかになり、ツイッターのセキュリティー問題がはるかに深刻である可能性が示された。

ザトコ氏は公聴会で、中国政府がツイッターのユーザーに関するデータを収集できることについて、一部の従業員が懸念していたと指摘。中国の広告主からの広告収入の機会を最大化したい一部のチームと、地政学的緊張が高まる中での中国での事業展開を懸念する他のチームとの内部衝突を詳述した13日付のロイター報道に触れ、「これは社内の大きな問題だった」とし、ツイッターは広告収入で最も急成長している中国に背を向けることを嫌ったとした。

また、ツイッターを解雇される前の週に、FBIがツイッターに対し、中国国家安全部(MSS)の工作員がツイッターの従業員名簿に載っていると通知したことを知ったと述べた。

この中国の工作員がまだツイッターの従業員であるのかは現時点で不明。ツイッターはザトコ氏の証言および公聴会に関するコメント要請に応じていない。

ザトコ氏は公聴会で、海外の工作員が社内にいるのではないかという懸念について、ツイッターの幹部と話したが、その幹部は「すでに1人いるのだから、もっといても問題ない」と答えたと語った。

<マスク氏への訴訟>

チャック・グラスリー上院議員によると、ツイッターのパラグ・アグラワル最高経営責任者(CEO)は、米実業家イーロン・マスク氏に対する訴訟が台無しになりかねないとして、公聴会への出席を拒んだという。

グラスリー議員は公聴会の冒頭発言で、内部告発者による主張の多くはアグラワルCEOの関与を示しており、主張が事実であれば「アグラワルCEOが今後、ツイッターでの地位を維持できるとは思えない」とした。

ツイッターは13日、オンラインで開催された臨時株主総会でマスク氏によるツイッター買収が承認されたと発表した。