ロシアのプーチン大統領は16日、係争地ナゴルノカラバフをめぐって再び交戦した旧ソ連構成国アルメニアとアゼルバイジャンの両首脳と個別に協議し、自制を呼び掛けた。インタファクス通信によると、自国側の戦死者について、アルメニア側は135人、アゼルバイジャン側は77人と発表。双方で計212人に上っている。
13日に再燃した紛争は沈静化に向かっている。上海協力機構(SCO)首脳会議のためウズベキスタン滞在中のプーチン氏は、アルメニアにとどまったパシニャン首相と電話会談。パシニャン氏は「国境地帯は比較的静かだが、アゼルバイジャンの攻撃により情勢は緊張したままだ」と相手側を非難した。
プーチン氏は、ウズベクを訪れたアゼルバイジャンのアリエフ大統領と対面で協議。「情勢悪化を非常に懸念している。アルメニア側にも同じことを伝えた」と説明した。対するアリエフ氏は、ロシアの仲介に謝意を表明した上で「もう2日間ほど停戦が守られている。これは(双方が)大規模な紛争を望んでいない証拠だ」として緊張緩和を約束した。