[ニューヨーク 23日 ロイター] – ブリンケン米国務長官は23日、中国の王毅国務委員兼外相と会談し、台湾の平和と安定の維持が極めて重要になるとの考えを伝えた。
台湾情勢を巡り米中の緊張が高まる中、両氏は国連総会が開かれているニューヨークで会談。米国務省当局者は会談後に記者団に対し「ブリンケン長官は米国の長年の政策に基づき、(台湾)海峡の平和と安定の維持は絶対的に極めて重要との考えを伝えたと述べた。
政府高官によると、会談は90分間に及び、焦点は台湾問題だった。
これに先立ち、国務省は両氏が米中間のオープンな対話を維持する必要性について協議したと表明。ブリンケン氏は、中国がロシアのウクライナ侵攻に物質的支援を提供したり、大規模な制裁逃れに関与したりした場合の影響も強調。「米中および国際社会は、ウクライナ侵攻の影響に対処し、ロシアがさらなる挑発行為に及ばないよう抑止する義務があることを強調した」という。また、米中の利害が一致する部分で協力していくことに引き続きオープンであると伝えたとした。
これとは別に、日本・米国・オーストラリア・インド4カ国の連携枠組み「クアッド」の外相会合も開催された。会合後にはインド太平洋を巡り「現状を変更しようとする、あるいは地域の緊張を高めようとするいかなる一方的行動にも強く反対する」との声明を発表した。
王外相は今週、米国の対中政策の構築に関わったキッシンジャー元米国務長官とも会談。ただ王氏は「一寸の領土を失うより、千人の兵士を失う方がまし」という中国のことわざを引き合いに出した上で、台湾の独立感情が「暴走」しているため、平和的解決の可能性は低下しているとの見方を示した。