9月の米ミシガン大学消費者マインド指数では、長期のインフレ期待が前月に続いて低下し、経済の不透明感が強まる中でも消費者マインドがやや改善したことが示された。
キーポイント |
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・ミシガン大消費者マインド指数(確定値)は58.6 ・前月の確定値は58.2 ・エコノミスト予想中央値は59.5 ・5-10年先のインフレ期待は2.7%-2021年4月以来の低水準 ・速報値は2.8% |
1年先のインフレ期待は4.7%。速報値から小幅に上方修正されたが、それでも1年ぶり低水準近辺にとどまった。
ただ、短期的な物価動向に対する不透明感は40年ぶり高水準となった。エネルギー価格が低下しつつも食品価格は上昇するという状況が背景にある。
ミシガン大消費者調査ディレクターのジョアン・シュー氏は発表文で、「世界的にインフレ圧力が続く中でこうした不透明感が改善する公算は小さく、インフレ期待は今後数カ月は比較的不安定な状態が続く可能性が高い」と解説した。
9月の現況指数は59.7と、5月以来の高水準。期待指数は58で変わらず。
ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「長期インフレ期待は低下し、新型コロナウイルス大流行前の水準に近づいたが、短期インフレ見通しが高止まりし、コアインフレに上振れのリスクがあることから、米金融当局の方向転換は差し迫っていない」と分析した。
消費者マインドはガソリン価格の下落を背景に改善したが、歴史的にはなおも低い水準で、失速の兆しもある。現在ではガソリン価格が再び上昇傾向にあるほか、米金融当局がインフレ徹底抗戦の構えを譲らず、米リセッション(景気後退)入りの可能性が高まっている。
回答者の大半は今後1年で所得が増加すると見込んでいるが、インフレを上回る所得増を期待する向きは16%にとどまった。
耐久財の購入環境に関する消費者意識を示す指数は、9月に上昇したが、統計開始以来の低水準近辺にとどまった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Long-Term Inflation Views Ease Further, Lifting Sentiment(抜粋)