- 習氏が「危険な嵐」警告、再度の為替介入の可能性に市場身構え
- 緩和継続が適切と日銀総裁、G20が声明、英成長予想を下方修正
高インフレの抑制に向け強い決意で取り組み続ける米金融当局ですが、その取り組みに対してバイデン政権からも前向きな声が出ています。大統領経済諮問委員会(CEA)のラウズ委員長は、金融当局の行動が「効果をもたらしている兆候が見られ始めている」と述べました。9月の米消費者物価指数(CPI)でコア指数が40年ぶりの大きな伸びとなり、消費者のインフレ期待も上昇する中、金融当局は今後も利上げに対する積極姿勢を堅持しそうです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
「危険な嵐」
中国共産党の習近平総書記(国家主席)は16日開幕した第20回党大会で活動報告を行い、中国の国際的影響力が高まったと宣言しながらも、今後は「危険な嵐」が控えていると警鐘を鳴らした。党トップとして異例の3期目続投が決まると見込まれる今回の大会の冒頭、習氏は同国が発展に引き続き重点を置くと示唆した。台湾問題に関しては、国家統一に向けて「歴史の車輪は前に進んでいる」と主張。武力行使の放棄は決して約束しないとも言明した。
身構える市場
円が対ドルで32年ぶりの安値を更新し、心理的な節目の水準である1ドル=150円に近づいたことを受け、為替トレーダーは日本政府・日本銀行が週明け17日に再度の外国為替市場介入を実施する可能性に身構えている。14日の外為市場でドル・円は148円70銭をわずかに下回る水準で取引を終了。鈴木俊一財務相は同日、市場での急激なボラティリティーの高まりに日本として「極めて憂慮」していると表明。神田真人財務官は「断固たる行動を取る用意」があると述べた。
緩和継続が適切
日本銀行の黒田東彦総裁は15日、新型コロナウイルス禍からの景気回復を支え、日本の物価のノルム(社会規範)を確実にシフトさせるために金融緩和策を継続することが適切だと述べた。総裁はワシントンで開催された「グループ・オブ・サーティー(G30)」のセミナーに出席。日本のインフレはコストプッシュ要因が主導しており、米国や欧州のそれとは異なるとの見解を示した。
3日遅れ
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁らは、ロシアのウクライナ侵攻や化石燃料を含む多くの問題に関してさまざまな見解を表明した。同侵攻とそれが世界に及ぼす影響を巡って意見が割れる中、3日遅れで声明が発表された。この声明はワシントンで開催されたG20会合に基づいている。同会合は13日に終了。通常こうした文書は会議終了後、数時間内に公表されるが、今回はあらゆる問題で意見が対立。特に世界経済見通しを曇らせているリスクが他にもある中、声明の作成が一段と困難になった。
下方修正
ゴールドマン・サックス・グループのアナリストらは英国の成長見通しを引き下げた。トラス英首相がクワーテング財務相を更迭し、法人税引き上げ凍結を撤回したことが理由。アナリストらは16日のリポートで「成長モメンタムの鈍化に加え、金融状況の著しいタイト化や来年4月の法人税引き上げを踏まえ、当社は英国の成長見通しをさらに引き下げ、一段と深刻なリセッション(景気後退)を想定している」と説明した。ゴールドマンが示した2023年の英年間成長率予想はマイナス1%。従来見通しはマイナス0.4%だった。
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