[東京 8日 ロイター] – 松野博一官房長官は8日午後の記者会見で、来年の春闘における賃上げ交渉では、物価上昇のカバーを目標に労使でしっかりと議論してほしいと述べた。

松野官房長官は、経団連の十倉雅和会長が7日の会見で来年の春闘について、ベースアップを中心に検討するよう加盟企業に訴える考えを示したことに対し「前向きに評価したい」と述べた。

同時に、賃上げは企業の支払い能力などを勘案し労使が交渉して合意した上で決定されるべきであるとの見解も示し、「最大限の賃上げを期待したい」と語った。続けて「来春の賃金交渉においては、物価上昇率をカバーする賃上げを目標にして労使でしっかり議論してほしいと考えている」と述べた。

政府としても民間企業の賃上げを支援するため、価格転嫁対策や中小企業等の支援に万全を期していくと説明した。

防衛力の強化に向けて総合防衛費を創設する方針を政府が固めたとの一部報道に関連しては、「防衛省、自衛隊や海上保安庁のニーズを踏まえ、関係予算を効果的に活用するための具体的な仕組みについて、(一部報道のような)経費の取り扱いも含め検討を進めている」と述べた。検討結果は「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の第3回会合で明らかにするという。

8日付読売新聞朝刊は、従来の防衛費に加え、研究開発費や公共インフラ整備費、海上保安庁予算などを一括で計上する「総合的な防衛体制の強化に資する経費」を創設する方針を政府が固めたと伝えていた。