[アルファレッタ(米ジョージア州)/フェニックス(米アリゾナ州) 9日 ロイター] – 8日に投開票された米中間選挙は、共和党が当初予想に比べ勢いを欠く一方、民主党が善戦している。上院過半数をどちらが握るかは、9日午後の時点でまだ決着がつかない3州にかかっている

エジソン・リサーチによると、ジョージア州上院選では民主党現職のラファエル・ワーノック氏と共和党のハーシェル・ウォーカー氏が接戦となり、決着は12月6日の決選投票に持ち越される見通しとなった。

これは、民主党がネバダ州とアリゾナ州で勝利しない限り、上院の主導権が判明するまで数週間かかる可能性があることを意味する。

下院では、共和党がなお過半数議席を獲得する可能性が高いとみられている。エジソン・リサーチによると、共和党が民主党から少なくとも8議席を奪い、過半数を3議席上回る見込み。ただ、44の選挙区でまだ結果が確定していないため、今後変動する可能性がある。

ロイターが主要な独立系調査会社の予想を分析したところ、53の最激戦区のうち勝者が確定したのは9日朝時点で26議席にとどまり、最終結果を得るまでにはしばらく時間が必要となる。民主党は26議席のうち20議席を制した。

伝統的に野党有利とされる中間選挙で、与党民主党は予想以上の健闘を見せ、共和党が期待していた「レッドウエーブ(赤い波、党のシンボルカラーの赤にちなむ)」の大勝利には程遠い様相となっている。

これは、有権者が急激なインフレに見舞われたバイデン政権の経済運営を批判する一方、中絶を禁止する共和党の方針に反発した結果とみられる。

トランプ前大統領が支持した共和党候補者の結果はまちまちだった。ジョージア州のウォーカー氏らの不振は、トランプ氏が引き起こした混乱に国民がへきえきしていることを示し、2024年の大統領選出馬の可能性に疑問を投げかけている。

自伝「ヒルビリー・エレジー」で知られる作家のJ・D・バンス氏はオハイオ州上院選で勝利。一方、トランプ氏の盟友であるダグ・マストリアーノ氏は、ペンシルベニア州知事選で手痛い敗北を喫した。

トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース(真実)・ソーシャル」で「ある意味では昨日の選挙はやや残念だったが、個人的には非常に大きな勝利だった」と述べた。

今回の中間選挙では、上院35議席、下院は全435議席が改選された。36州では知事選も行われた。