- ドル・金利高でイエレン長官発言、米民主党が上院多数派維持へ
- バハマ警察がFTX捜査、日米韓首脳会談、仮想通貨の将来を悲観
ブルームバーグの日本語記事でこの一週間に最も読まれたのは、米中間選挙のニュース。2位が暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXに関する記事でした。しかし金融市場の空気をがらりと変えたのは3位の、予想を下回った10月米消費者物価指数(CPI)でした。JPモルガン・アセット・マネジメントのイアン・スティーリー氏は「完全に危険を脱したとは思わないが、利回りがピークに近づいたことは確実だ」と発言。これを補強する、あるいは打ち消す可能性があるのが15日発表の10月米生産者物価指数(PPI)です。エコノミスト調査では、前年比での伸びがわずかに減速すると予想されています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
米金利とドル高
米国をはじめ主要国はその経済対策が他国に「波及する影響」を認識しなくてはならないと、イエレン米財務長官が述べた。「われわれの政策はその影響が他国に波及するものであり、ドルがこれほど強い環境において当然ながら、多くの国が米国の政策が自国通貨に波及する影響を懸念している」と20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が開催されているインドネシアのバリ島で記者団に述べた。40年ぶりの高いインフレを鎮めようとする米金融当局の取り組みに対し、イエレン長官はこれまで一貫して支持する姿勢を見せてきた。
予想外
米中間選挙では大方の予想や歴史的な傾向に反し、与党・民主党が上院で多数派の維持を確実にした。激戦州ネバダ州で同党現職コルテズマスト氏が接戦の末、共和党のラグゾルト氏を破ったとAP通信などが報じた。上院選で残る1議席はジョージア州で12月に決選投票が行われる方向だが、ネバダ州でコルテズマスト氏の当選が最終確定すれば、民主党はその時点で100議席中50議席を確保。ハリス副大統領の上院議長としての票を加え過半数となる。下院選は過半数確保に218議席が必要で、これまでに共和211議席、民主203議席となっているが、どちらが多数派になるか依然決まっておらず、西部を中心に集計が続いている。
バハマ
バハマ警察はバハマ証券委員会と協力し、暗号資産(仮想通貨)交換業者FTXの破綻に関連した刑法違反行為の有無を捜査していると明らかにした。これより先、FTXの共同創業者で、最高経営責任者(CEO)職を辞任したサム・バンクマンフリード氏が12日にバハマの警察および規制当局の聴取を受けたことが、事情に詳しい関係者1人の話で分かった。アナリストらはFTXの国際事業や米国内事業FTX USから約6億6200万ドル(約920億円)に相当する謎のトーク流出があったとしている。
日米韓
バイデン米大統領はカンボジアのプノンペンで岸田文雄首相、韓国の尹錫悦大統領との3カ国首脳会談に臨み、北朝鮮の「挑発的な行動」は続いており、3カ国のパートナーシップはこれまで以上に重要になったと、団結を強調した。岸田首相は「北朝鮮による前例のない挑発行為が続いている」として、毅然(きぜん)として対応していく決意を示した。バイデン大統領はこのほか、「サプライチェーンを強化」する方法や「経済的レジリエンス(回復力)」を積み上げる方法を3首脳で話し合っていくと表明。14日には中国の習近平国家主席と会談する。
失望
突然訪れたFTXの危機により、仮想通貨が資産ポートフォリオの主流として組み込まれる見込みは永久に閉ざされたかもしれない。損失があまりに大きく、市場構造が過度にリスキーだというのが理由だ。パインブリッジ・インベストメンツのマルチ資産ポートフォリオマネジャー、ハニ・レダ氏は「一時はすべての投資家が戦略的資産配分に組み入れるべき資産クラスとして検討されていたが、もはや完全に論外だ」と述べた。JPモルガン・チェースのニコラオス・パニギリツオグル氏は「分散投資として仮想通貨に投資する議論は少し前に死んだ」と語った。
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