[東京 16日 ロイター] – ロームは16日、東芝の非公開化を巡って、日本産業パートナーズ(JIP)の買収提案に参画し、最大3000億円規模の投資を行うとの一部報道について「検討しているのは事実だが、金額を含め決定した事実はない」とコメントした。
日本経済新聞電子版は16日、東芝への日本産業パートナーズ(JIP)の買収提案にロームやスズキが参画していると報じた。ロームの投資額は最大で3000億円規模、スズキは数百億円、大成建設も出資する見通しとしている。
スズキ広報担当者はロイターの問い合わせに対し「現時点で何も話すことはない」とコメントした。
東芝は「公正なプロセス運営を損なう懸念があるため、共同投資家を含む候補者に関する情報については、原則として回答できない」、大成建設は「経営に関する個別の事案については回答していない」とした。
東芝とロームは、車載や産業向けの電力の供給や制御に用いる「パワー半導体」を手掛けている。半導体業界における日本の存在感は近年低下しているものの、パワー半導体は業界をリードする分野となっている。スズキは東芝から車載用電池を調達している。
複数のメディアによると、JIPは東芝に正式に買収提案を行ったものの、融資を確約する「コミットメントレター」は金融機関から得られてないという。JIPと同じく2次提案を出している産業革新投資機構(JIC)からの再建案は現時点では確認できていない。