[ワシントン 17日 ロイター] – バイデン米政権は17日、サウジアラビア人記者ジャマル・カショギ氏殺害事件の訴訟を巡り、サウジのムハンマド皇太子は免責されると判断した。同記者の元婚約者は直ちにこの判断を非難した。

カショギ氏は2018年10月、イスタンブールのサウジ領事館でサウジの工作員に殺害された。米情報機関はムハンマド皇太子がこの作戦を命じたと考えている。

ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)の報道官は文書で、「これは慣習国際法の長年にわたる確立された原則に基づき国務省が下した法的判断だ」と説明。「訴訟の実体とは関係ない」とした。

同報道官はさらなる質問は国務省と司法省に尋ねるよう求めた。

司法省の代理人はコロンビア特別区の米裁判所に提出した文書の中で、「国家元首免責の原則は慣習国際法において十分に確立されている」と書いている。

9月下旬にムハンマド皇太子は首相に任命された。

カショギ氏の元婚約者であるハティジェ・ジェンギズさんはニュースが公になった数分後にツイッターで「本日、ジャマルは再び死んだ」と投稿。その後も「私たちは米国から正義の光が差し込むと信じていたのに、またしてもお金が先に立ってしまった」とツイートした。

在ワシントンのサウジ領事館の広報担当者からは業務時間外のためコメントを得られなかった。